フェイトちゃんは変態さんなの?
2009.07.13 Monday | category:投稿&頂き物SS
いつも通りtanakaさんからでございますわよー。
いつもの風景、変わりの無い日常。それでも毎日が楽しいと思えて。
でも今日は少し違った。
なのは、アリサにすずか、そしてはやてに私を加えての五人での昼食。
いつものように楽しく終わると思ったのに、なのに……
なのはの突然の言葉でそれは終わりを告げた。
「ねぇ、フェイトちゃんは変態さんなの?」
「え……?」
一瞬にしてその場が凍りついた。
「な、なのは……何を言って……」
私が変態だなんて一体何を……そんな事は決してあり得ないのに……
「いつもエッチな妄想ばかりしてるって本当なの?」
「―――――――っ!?」
なのはが何を言っているのかが全然理解出来ない。いや、そもそも誰がそんな事を……?
頭を巡らせていると、ある人物と視線が合う。
「はやて……」
もしかして、はやてが言ったのだろうか? その可能性は十分にある。証拠も無いし確証も無いけど、あのはやての
表情は答えを物語っている。だって、そうじゃないとあんな邪悪な笑みは浮かべられないもんね。
私は、勢いよくはやてに近づくと、
「はやて、なのはに嘘を教えるのは止めてくれないかな?」
出来るだけ冷静に、でも勢いは殺さないように話しかける。
「フェイトちゃん、私は嘘なんか言ってへんよ」
しかし、はやては言うに事欠いて嘘なんか言って無いと言い出した。
「はぁ? 何を言って……私は――」
「フェイトちゃんの方こそ嘘はあかんなぁ」
「な――――――っ!?」
わ、私が嘘を吐いてるって言うの!?
「わ、私は――」
「一度もなのはちゃんをそういう風に見て無いと?」
うっ……
「なのはちゃんに対して一度もあんな格好して欲しいとか、あんな事やこんな事をして欲しいと思って無いって言うんか?」
はやての言葉に対して、何も言い返す事が出来ない。
だって、はやての言っている事は間違っていないから。
確かに私は、なのはで色々な妄想をして来たけど、でも――
「それをなのはに言う必要は無いんじゃないの?」
そう。別にそれをなのはに言う必要は無い。
こんな事を言っても誰も得をしないのに……
「そうとは限らんで。なのはちゃんも意外とアレな娘やから、意味はあると思うんやけどな」
なのはがアレな娘って、どういう意味なのだろうか?
「結局はフェイトちゃんが得をすれば、ええって事やろ?」
「むっ……」
その言い方はまるで私だけが悪者のような気がするんだけど。
「ま、ちょっと待っててな。おーい、なのはちゃーん」
はやては、なのはの方へと行って何やら内緒話をしている。
はやてが、なのはに何を言っているのかは分からないけど、はやての言葉になのはは、顔を真っ赤にしたり、指をもじもじ
させたりしている。何ていうか、その……可愛いと思う。
暫くして、はやてが顔をニヤつかせながらこちらに戻って来る。そして、その後ろにはなのはが……
「はやて――」
一体何を話していたのかを聞こうとすると、唇に指を当てられ、
「私に出来る事は全部したつもりや。後はなのはちゃんから話を聞いてな」
そう言ってはやては、足早にこの場所からいなくなる。
「あ、あの……なのは――」
「あのね……フェイトちゃんが変態さんなのは、はやてちゃんの説明でよく分かったの」
「な――っ!?」
は、はやて……さっきより酷くなってるじゃない。もしかして私嵌められたの?
今になって、はやての狡猾さに気がつく。はやては私を助ける気なんか全然なかったんだ。ただ自分が楽しければいいと思ってるんだ。
今もきっと、何処からか私の情けない姿を見ているに違いない。
そう思うとほんと泣きたくなってくる。
すぐにでも逃げ出したい。そう、思っていると……
「わ、わたしはフェイトちゃんが変態さんでもいいよ」
「え……?」
「ふぇ、フェイトちゃんが望むのなら、少しぐらいは恥ずかしいの我慢するよ?」
あまりにも予想外の言葉に頭が真っ白になる。
「わ、わたしだって恥ずかしいのは嫌だけど、フェイトちゃんが変態さんなら仕方ないよね?」
何だかバカにされているような気がするが、この言葉は正直嬉しい。
だって、今までは妄想の中だけだった事が現実に出来るのだから。
「だから、わたしはフェイトちゃんが変態さんでも――」
「なのは――っ!」
勢いよくなのはに抱きつく。
「ふぇ、フェイトちゃん……?」
うん。もう私変態でいいよ。変態でいいから――
「なのは……覚悟しててよね」
「う、うん……」
照れながらも承諾をしてくれる。はやてさっきは本当にごめん。色々疑ってしまって、はやて君はやっぱり最高の友達だよ。
何処にいるかは分からない友人に一言お礼を言う。
「ふふ……ほんと二人は仲がいいね」
「ほんと、勘弁してほしいわね」
「私は、アリサちゃんが変態さんでも大丈夫だよ」
「な、ば――っ!?」
「ふふ……♪」
普段とは違う昼食風景。でも……偶にはこういうのもいいのかもしれない。
だって、なのはのお許しが出たのだから。だから他の事なんて些細な事だよ。
ああ、実に楽しみだなぁ……♪
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