手相占い?
2009.06.08 Monday | category:投稿&頂き物SS
tanakaさんよりまたまたアリすず。あ、リンクありがとうございました。
「はぁ? 手相占い?」
「うん、アリサちゃんの手相を見たいんだけどいいかな?」
学校のお昼休み。すずかがあたしの手相を見たいと言い出した。
きっとすずかは、何の他意も無くあたしの手相を見てみたいだけなんでしょうけど、あたしはそうはいかない。
だって手相を見るって事は、すずかに手を触られるって事でしょ?
そんなの耐えられないわよ。
ただでさえここ最近すずかの事が好きだと自覚してしまってから、すずかの顔を見るだけで恥ずかしくて
逃げ出したくなりそうなのに……でもすずかから逃げだす事が出来ない。
逃げ出してしまったら、すずかの顔が見れないし、何よりすずかの側にいる事が出来ない。
だからあたしは、バクバクと五月蠅い心臓を押さえつけながら、すずかの側にいる。
こんな状態なのに、すずかに手を触られたりなんかした日には、自分がどうなってしまうか分からない。
でも、そんな事を他の人。特にすずかにバレたりなんかしたく無いからあたしは――
「遠慮するわ。どうせ当たらないんだから」
いかにも興味が無いような態度でピンチを避ける。
「う〜確かにまだ覚えたてで、当たらないかもしれないけど……」
しかしすずかは、まだ諦められないようで……
「アリサちゃん……ダメ……?」
なんて目を潤ませながら、上目使いでお願いをする。
「う……っ」
ず、ズルイ……こんな可愛い表情でお願いをされて断れるわけないじゃない。
で、でも……手を触られるのは……
あれこれ悩んでいると、すずかがダメ押しといわんばかりに顔を近づけてお願いをする。
「わ、わかったわよ! 見ればいいでしょ!」
完全にすずかに押し負けてしまったあたしは、大人しくすずかに手を差し出す。
「ふふ……じゃ、見るね♪」
実に嬉しそうにあたしの手を取って手相を見始める。
「………」
「…………………」
「も、もういいでしょ……?」
「待って、もう少しだけ……」
手相を見るのにこんなにも時間をかけるかというぐらいに、すずかは手相を見る。
手相を見るという事は必然的にあたしの手を触るという事で……
さっきからずっと、すずかに手を触られている。
その事実を考えてしまうたびに顔が真っ赤になりそうなほど、恥ずかしくなるけど必死で抑える。
「うん、もういいよ」
長い長い時間がようやく終わったみたいだ。
これ以上すずかに手を触られているわけにもいかないので、手を引き抜こうとするが、
「〜♪」
すずかは笑顔であたしの手を離そうとしない。
「な、何でまだ――もう、いいでしょ」
言葉に詰まりながらも、何とか手を引き抜く。
「あ…………」
その時すずかが、残念そうな声を出していたけど、だからと言って手を差し出すわけにもいかない。
「そ、それで何か判ったの?」
「うん♪」
結果を聞いた瞬間すずかがもの凄い笑顔になったけど……なんかこのまま話を聞くのは怖いわね。
しかし一度聞いてしまった以上時間は戻らなくて――
「あのね、アリサちゃんはね……全体的に運は悪くは無いし、何より恋愛運がいいよ」
「え……?」
恋愛運が……でも、あたしの場合は――
「きっと、アリサちゃんの意中の人とうまくいけるよ♪」
そう言うすずかの笑顔が眩しくて、
「ね、アリサちゃん♪」
あたしの手を取って微笑むすずかの顔が可愛すぎて、
あたしは――――
「う、うわぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁっ!」
「あ、アリサちゃん……?」
居ても立ってもいられなくて、その場から逃げる。
「アリサちゃん……
「ほんまアリサちゃんは、青いなぁ〜」
「はやてちゃん」
逃げだしたアリサの背中を見ていたすずかに、はやてが話しかける。
「それにしても、手相なんか何時の間に勉強したん?」
そのはやての質問に――
「手相なんか見れないよ……」
「え……?」
予想外の答えが返ってくる。
まさかの答えにはやては驚きながらも、再び疑問をぶつける。
「じゃぁ、何であんな事を……?」
「私はアリサちゃんの手を触っていたかっただけだから……アリサちゃんと触れ合っていたかったから」
「……納得や」
すずからしい答えにはやては一人納得をする。
「それに、可愛いアリサちゃんも見たかったしね……」
「お、恐ろしいなぁ……」
「ふふ……そうかな?」
「すずかちゃん。あんた恐ろしい娘やで」
アリサには聞こえない所で、すずかの本音が出る。
それを聞いたはやては、苦笑いしていたとか……
⇒ こじたん (11/17)
⇒ 浅木原 (11/16)
⇒ こじたん (11/16)
⇒ 時の番人 (11/14)
⇒ 置き石 (10/14)
⇒ 葉月 (09/19)
⇒ ろっく (05/17)
⇒ 六仁祝 (08/27)
⇒ はまなす (06/20)
⇒ 橘 奏 (08/10)