青い空の下で(1)
2008.01.03 Thursday | category:投稿&頂き物SS
小鳥のさえずりが聞こえ、すがすがしい初夏の風が吹く。あの闇の書が去ってから五ヶ月が去っていた。
ハラオウン家の、フェイト=T=ハラオウンの私室では、今まさにフェイトが起きようとしていた。
フェイトは身じろぎをすると、少しためらって起き上がった。
ええと、今は何時だろう、フェイトはそう思って時計を見た。時計は今まさに五時三十分を示そうとしていた。
「っっ!!」
フェイトは少し寝坊してしまった、と、そう思って急いで着替えた。
そして靴を履き、公園へと急ぐ。何時もの場所で、何時もの共同魔法演習があるのだ。
「フェイトちゃん。」
と、そうフェイトを呼ぶやさしい声が聞こえた。
「なのは、遅れて本当にごめん。」
フェイトは本当にすまなさそうにそう謝罪した。
「ううん、いいんだよ。」
なのははやさしく微笑みながらそういった。
フェイトは、なのはのその微笑が、本当にきれいだと、そう思って少し赤くなった。
「ええと。・・・今日はどんな魔法を練習する?」
フェイトは、少し赤くなったその頬を誤魔化すように俯きながらそういった。
「んと、私はディバインバスターの操作性と攻撃力を上げてみたから、そのテストをしようと思ってるんだけど。」
なのはは、フェイトのその内心を知らずに、俯いたフェイトを覗き込むようにしながら、明るい声でそういった。
な、なのは、ちち、近いって、あうー フェイトは少し錯乱気味にそう思った。
「あ、ええと・・・わ、私は・・・きょ、今日は特に何も考えてきてないんだけど・・・」
フェイトは、真っ赤になって、ますます俯きながら、そういった。
「どうしたの?フェイトちゃん。顔、赤いよ?」
なのはは心配そうにそういった。
だ、だから、近いんだって、なのは。 フェイトは何を言ったらいいのか分からなかった。
なのはは少し考え込んで、思い至ったらしく、ますます顔を近づけた。
「熱あるの?ほんとに大丈夫?」
なのはは、フェイトの額に自分の額をくっつけた。
あぅあぅあぅ・・・なのはー!すごくどきどきするよー。はずかしいってー。
フェイトはそう思った。 フェイトの拍動はすでに臨界点に近いところまで来ているのだ。
しかし、なのははまったくそれに気付く気配すらなく、少し寂しく笑った。
「フェイトちゃんがそういうのならいいけど・・・」
と、なのははそういったのだ。
「フェイトちゃん、今日はフェイトちゃんが苦手な防御魔法を練習しようかな?」
と、少し微笑みながら、なのはは続けてそういった。
その言葉にフェイトはすごく混乱して、固まってしまったのだ。
なのはは、それに気付かずに
「レイジングハート」
と なのはは言った
「イエス マスター。スタンバイ レディ」
と レイジングハートは答えた
唐突過ぎるよ なのはー と フェイトは思った
「セットアーップ」
なのはがそういうと同時に、宝石が光り輝き、魔道の杖が構成されていく。
それと同時になのはの衣服が、聖祥の制服を想定して模倣した防護服へと転換される。
「ば、バルディッシュ」
と、フェイトはそう言った。
「イエス サー。スタンバイ レディ」
バルデッシュはそう答えた。
「セットアーップ」
フェイトがそういうと 宝石が光り輝き、アサルトフォームが起動される。
同時に、フェイトの衣服が高速戦闘に特化された防護服に転換される。
「フェイトちゃん、行くよ。」
なのはのその声と同時にレイジングハートエクセリオンに魔力が収束する。
「えーっと、ほどほどにね。」
そうフェイトはなのはに注意をした・・・が、しかし
「いっくよー ディバイン」
なのはのその掛け声と同時にディバインスフィアが形成される。
その総数は十五個以上だった。 このぐらいは防げないといけないとなのはは思ったらしい。
「無、無理無理、駄目だって!!」
フェイトはそういった。
その二へ続く
⇒ こじたん (11/17)
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⇒ こじたん (11/16)
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⇒ 葉月 (09/19)
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⇒ 六仁祝 (08/27)
⇒ はまなす (06/20)
⇒ 橘 奏 (08/10)