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ユグドラシルの枝(4)
*注意*本作は「魔法少女リリカルなのはBURNING」の三次創作です。多大に本編のネタバレを含むため、先に「なのはBURNING」を読まれることを推奨致します。

 お待ちかね、てるさんのBURNING三次短編「ユグ枝」第4話! 今回はクロノ&エイミィ編!
 それは、泣きたくなるほどに幸せなセカイの物語――。ああんもう(以下略












 カランカランというベルの鳴る音が、その店に来客を告げた。
 入ってきたのは白いマントを羽織り、緑色の髪と眼鏡をかけた青年だ。
 青年は、入ってきたドアを閉めると、少し薄暗い酒場の中を見渡していた。。
 きょろきょろ、と。やがて、探している人物が見つかったのか、視点を一点に固定した。
 視線の先にいるのはカウンターに座っている黒いシャツと黒い髪が特徴的な彼よりも少し年下の青年のようだった。
 青年は見つけた彼の隣に座る。一方で、隣の彼は青年が座ったことに気づいているのか、あるいは気にしていないのか、青年に意識を向けることはなく、ぼぅと茶色い液体と氷が入ったグラスを見つめていた。
 青年が彼の顔色を伺うにまだそんなに赤くなっていないように思う。つまり、飲み始めてまだ時間が浅いのだ。
 酔っていたら話にもならないから場所を変えようとも思っていたが、どうやら問題なさそうだ。
 そう思った青年は、店のマスターに彼と同じものを、と頼む。
 幸いにして注文は少なかったのだろう。少し待つだけで隣の彼と同じ液体の入ったグラスが青年の目の前に置かれた。
 何もいれずに話をしてもいいのだが、とりあえずここは酒場なのだ。だから、まずは一杯。
 くっ、とグラスを少しだけ傾け、液体を口に入れ、喉を通す。強いアルコールが胃を焼いたように熱かった。

「それで―――」

 不意に青年が口を開く。もともと、タイミングは隣に座った直後からあったのだ。先に酒を頼んだのは店に入ったものとしての義理に過ぎない。
 そして、その義理を果たした以上は、次の話に入るべきだろう。
 つまり、この隣に座っている友人とも言うべき男の人生相談に。

「何があったんですか? クロノ」

 もはや特有のポーカーフェイスとも言えるいつもの微笑を浮かべて、エディック・スコールは、何故か打ちひしがれているクロノ・ハラオウンに優しい声をかけた。
 だが、その声に反応することはなく、クロノは俯いたままだ。いつもエディックに見せている最年少の提督としての姿はそこにはなかった。そこにあったのは夢に敗れた少年というか、現実に打ちのめされた人間とも言うべき姿だった。

 さて、どうしたものですかね?

 事情を知っていれば、対処の仕様もあっただろうが、如何せんエディックは事情も知らないままに呼び出されたのだ。というよりも、呼び出された通信に出てみれば、そこには意気消沈したクロノの姿。いつもの彼とはあまりにかけ離れた姿に驚き、直接話を聞いたほうが早いと判断したエディックはクロノとこの酒場で落ち合うことにしたのだ。
 だから、どうしてこんな状態になっているかエディックはまったく知らない。クロノという男が打ちのめされるのだからよっぽどのことだと思うのだが……

「エディック……」

 さて、どうやってクロノに事情を話させようか、と思考を回しているところに、考えをまとめる前にクロノが自らその閉じていた口を開いた。考えた自分は何だったのだろうか、と考えるよりもようやく口を開いてくれたことを嬉しく思った。

「なんですか?」
「少し……聞いてくれないか? 僕のバカな話を」
「当たり前です。そのために私は来たのですから」

 その答えをもらったクロノは、残っていた酒を一気に飲み干し、次も同じ酒を頼んだ。
 その様子を横目で見ながら、もう相当酔っているのかもしれないと思った。同時にクロノらしくないと思った。。飲むときは自分が保てる程度にしか飲まないクロノが今日は、やけに度数の高い酒をパカパカと飲んでいる。
 本当にバカなことをしたんだろうだろうな、とエディックでえあっさり分かってしまうほどだ。
 しかし、エディックはクロノという男を裏表合わせて知っているはずだった。そして、そのクロノの姿から考えれば、そんなに酒で流してしまいたいほどのバカな行動を取るとは思わないのだが……
 何はともあれ、考えるのは話を聞いたあとですね。
 そう結論付けたエディックは、クロノと同じように残っていた酒を飲み干した。


   ◇


 さて、一体何所にいるのだろうか?
 セレナ・オズワルドは、呼び出された喫茶店に入るなりキョロキョロと入っているお客たちを見渡した。
 いつもだったら、入ってくるなり大きく手を振ってくれる彼女の親友の姿は今日は見られなかった。
 もしかしてまだ来てないのかしら?
 いや、そんなはずはない、とセレナは思いなおす。なぜなら、セレナよりも彼女の自宅のほうがここには近いのだから。もっとも、彼女の家は管理世界外の地球というところにあるだけで、この場所は一番近くのトランスポーターに近いというだけだが。
 自分に気づいていないだけなんだろうか? と思いなおし、再び店内を見渡す。
 そして、お店の実に隅の方に癖毛ともいえる茶色の跳ね毛をした彼女の親友の姿を見つけた。
 セレナは、ああ、やっぱり気づいていないだけなのか、と思い、歩いて近づく。
 近づくのはいいのだが、近づくにつれて何かおかしいことに気づいた。ここはミッドチルダだ。別に他の管理世界に行っているわけではない。というのに身体が何か重い気がする。気がするだけかもしれないが。
 いや、だがよくよく見てみればさらにおかしいことに気づいた。
 彼女の半径五メートル以内にはお客はいないのだ。別にこの店が流行っていないというわけではない。むしろ、夜は仕事帰りである会社勤めの女の子で一杯であるはずの店内のにも関わらず、彼女の周りだけいないのだ。

 ―――い、一体何が?

 凄腕の執務管として知られているセレナでさえ躊躇するほどの何かを感じながらセレナは、親友に近づく。
 そして、ようやくという時間をかけて親友の前に来ると、彼女の対面に座った。
 だが、だというのに彼女の親友はセレナに気づいた様子もなく、よくよく見てみれば、顔を俯けている。
 目の前に置かれた減っていないコーヒーがなんともシュールだった。

「えっと……エイミィ?」

 セレナはいつでも元気なエイミィしか見た事がないので、さすがに心配になってくる。確かに、少し落ち込んだときも色々と話をしたが、ここまで暗くなったことがあっただろうか。
 親友としては心配にならざるを得ない。
 エイミィ、エイミィと何度か呼びかけ、返事をせずについには肩に手をかけようとしたとき、逆に神速ともいえる速さでエイミィからセレナの肩をつかまれた。
 がばっ! と今まで俯いていた顔を上げたエイミィの目は泣き腫らしたように真っ赤で、いや、正確には今も頬には涙が流れた跡が残っているし、今も雫は頬を流れている。

「ぜれなぁ〜」

 いつもは向日葵のような笑顔が似合うエイミィの顔が見るも無残な顔になっていることに一瞬、驚いたセレナだったが、それよりもどうしてこういう事態になったのか気になった。

「ちょ、ちょっと! エイミィ、落ち着きなさい」

 捕まれた腕を払い、逆にエイミィの肩に手を置いて座らせる。そして、今度は落ち着くようにと持ってきているコーヒーを飲むように指示。言われたとおり、エイミィはコーヒーを飲み、少しだけ落ち着いたのか、ほぅ、とため息を吐いた。

「それで、どうしたの?」
「失敗しちゃった」

 ぼそ、と呟くような声。
 だが、その内容は珍しいこととはいえ、特に有り得ないことではない。何より失敗に関してエイミィは特に落ち込むことはなく、むしろ笑い話として提供してくれるはずだ。ここまで落ち込むことはない。
 となれば、セレナには一つだけ心当たりがあった。

「クロノね」

 セレナの勘はあたったようで、コクリとエイミィはうなずく。

「はぁ〜、今度はなにやったの? デートに誘うのに失敗した? それとも―――」

 過去の相談の中から比較的頻度の高いものを列挙していく。だが、どれにもエイミィは首を振るばかりだ。
 しかし、セレナもおかしいことには気づいている。過去に相談を受けたことは何度もあるが、こうやって泣きじゃくる姿を見るのは初めてだからだ。
 案の定、エイミィはすべての問いに首を横に振ることで答えていた。

「はぁ〜。もうだったら、自分で説明しなさいよ」
「うん。あのね―――」

 まだはれた目をしながら、エイミィは少しだけ俯きながら、セレナをこの場に呼んだ原因を語り始めた。


  ◇


 その日は何もなかったというべきだろうか。いや、何もなかったわけではないだろう。その日は、クロノが艦長を務める戦艦アースラの任務が無事に終わって始めて帰宅した日であった。
 相変わらずのロストロギア関連の事件。救えた命もあったし、救えなかった命もあった。だが、任務が終わったことは喜ばしいことだ。そんな意味も含めてクロノとエイミィは二人以外は誰もいない家で軽い宴会のようなことをしていた。
 これは任務が終わった日の恒例のこと。
 贅沢にこの世界で始めて知った食べ物であるスシの特上を頼み、酒もばっちり用意されている。

「それじゃ、任務が終わったことを祝して」
「「乾杯」」

 チン、と二人のグラスがぶつかり、エイミィは中に入っている日本酒を飲み干した。
 おいおい、という顔でクロノがゆっくりとグラスに口をつけているが、何も言わない。こういった日は無礼講と昔から決まっているのだ。
 早速なくなったグラスに追加の酒を注ぎながらエイミィは、こっそりとスシをつまんでいるクロノの顔を見る。

 ―――あたしは、あと何回こうやってクロノ君と……

 今回で数えるのも面倒なくらいこうやって宴会をやってきた。だが、後、何回、こうやって宴会をやれるかエイミィには分からない。
 クロノは優秀だ。優秀すぎるぐらいに優秀だ。今までは、追ってこれたが、このままでは追いつけない日も近いかもしれない。

 ―――いやだなぁ……

 正直な気持ちだ。
 魔法学校を卒業してからずっと追ってきた。この胸のうちの気持ちを秘めながら。あの闇の書事件のあとの宴会で、エイミィは軽い冗談のつもり、だが、半分以上は本気で『クロノくんにもらってもらおうかな』といった。だが、それは本当に冗談にしかクロノにはとられなかったようで、『身近で済まそうとするな』と逆に怒られたことは記憶に新しい。
 身近じゃないんだけどな〜、という心の願いはまったく気づかれない。だが、クロノだから仕方ないか、とも思う。鈍い上に鈍感だから。特に自分に向けられる心に関しては。
 だから、最近増えてきたクロノのにわかファンにはまったく警戒していない。少なくても女性の中で一番近いのは自分だと思っている。

 ―――まあ、気長にやるしかないか。

 その気長がいつまで続くのか、エイミィには分からない。
 だが、少なくてもエイミィは悪くないと思っている。悪いのはアプローチに気づかないクロノだ、と。
 休日にデートに誘ったり、お弁当を作ったり、エトセトラ。エイミィの親友に話せば、あんたが何でまだ想いつづけるのか分からない、といわれるほど頑張っている。
 というのに、この目の前の男は、前者を買い物の付き合いと考え、後者を居候のお礼だと考えているのだからたちが悪すぎる。

 ―――はぁ、本当にいつのことやら。

 エイミィは、軽くため息をつきながら、三杯目の酒に口をつけた。

「エイミィ、酔って記憶がなくなる前に話があるんだが」
「はいはい、なに?」

 クロノの鈍感さについて考え、酒の所為で気が立っていたせいか、少しだけ無愛想に返事をしてしまうエイミィ。話の半分ぐらいは聞いていないのかもしれない。
 だが、そんなエイミィの様子にも気づかず、目の前の男は、懐から一つ箱を出して口を開いた。

「結婚してくれないか? エイミィ」

 時が止まった。

 メノマエノオトコハナニヲイイッタダロウカ?

 クロノの突然の言葉はエイミィの思考回路という回路を停止させ、緊急事態に陥ったエイミィは、思考停止の状態で立ち上がり、頭を下げて思わず次の言葉を口にしていた。

「ご、ごめんなさいっ!!」

 直後、Uターン。クロノの家から走り去るのだった。


  ◇


「あなたはバカですか」
「……」
「おや、聞こえないようですね。ならば、もう一度言ってあげましょう。バカですね」
「………」
「しかし、これだけでは足りません。ですから、もう一度、大バカですね」

 計三度、クロノにバカという称号を与えたエディックだったが、それでも満足ではなさそうだった。
 事実、エディックは満足していない。

 ―――あまりにエイミィがかわいそうだ。

 クロノとエディックが同じ学校であったようにエディックとエイミィも同じ学校だ。だから、エディックはエイミィがクロノに寄せている想いも知っている。
 だからこそ、尚のことエイミィが可哀そうで仕方なかった。

「……分かっているさ」
「いいえ、分かっていませんね」

 クロノが自虐的に呟く言葉でさえ、エディックは一刀両断で切り捨てた。
 そう、この男が分かっているはずないのだ。何がバカな行為で、何が愚かなのか。それさえ自覚せずにせいぜい、自分がエイミィに告白したこと自体がバカとしか思っていないはずだ。

「そもそも、貴方は自分をバカと言っていますが、どの行為がバカな行為なのか理解していますか?」
「……いちいち、言わせるなよ。僕みたいな男が結婚を申し込んだこと自体がバカなんだろう」

 自暴自棄になったように強いお酒をさらに煽るクロノ。
 そして、エディックは自分の考えがドンピシャであたっていたことに対してはぁ〜、と思いっきりため息をついた。
 これじゃ、彼女が報われない。報われなさ過ぎる。

 クロノからエイミィへの告白は喜ばしいことだ。もしも、クロノがもう少し賢かったならば、女心を理解していたならばこの場は、祝宴になっており、エイミィは泣きながらセレナに報告し、セレナは暴走気味にお酒を飲みながら、エディックはその巻き添えを食らうという楽しい宴会になっていただろう。

 だが、その想像がもう遅いというわけではなさそうだ。ここから若干の軌道修正を加えてやれば、今の空想は空想で終わらないと思う。
 そもそも、セレナもエイミィに呼び出されていたようだし、向こうと協力すれば大丈夫だろう。
 そう考え、エディックはクロノの軌道修正に取り掛かった。

 ――――本当は、こんなことはしたくないのですが、ここで無視すれば私がセレナに怒られてしまいますからね。

「クロノ。私が、貴方にバカと言っているのはその告白のことではありませんよ」
「どういう意味だ?」
「貴方はもう少し女心を理解したほうがいいということです」

 まったく、犯罪者とかの心理には詳しいくせにいざというときに使えない頭ですね、と思いながら、いいですか、と前置きを入れたところでエディックの講義が始まる。

「そもそも、貴方とエイミィの関係は何ですか?」
「……仕事場の同僚だ」
「そうです。そもそも、端から見れば、貴方たちの関係はそれです。それなのに……いきなり結婚を申し込むバカがどこにいますか」

 ここにという答えは受け付けない。
 そもそも、恋愛には段階があって然りだ。だが、目の前の男はその段階をすっ飛ばしていきなり頂上に上ってしまったといっても過言ではない。

「いや、しかし……僕とエイミィはもう付き合うという期間を置くほど互いに知らないわけじゃないぞ?」

 クロノの考えは実に合理的な男の考え方である。
 もはや恋人になったところで何も変わらないのだから、その段階をすっ飛ばしても構わないだろうという考えだ。
 だが、それは女心からしてみれば溜まったものではない。

「はぁ〜、だからあなたはバカなんですよ。物事には段階があり、そして予兆というものがあります。貴方がやったことは、いつもどおり出勤してきた朝に『君は首だ』といわれたに等しいのですよ」

 クロノの提案は唐突で突然だったのだ。クロノが住んでいる地球というところで起きている地震のようなものだろう。もしも、これが普通の付き合ってくださいという類の告白だったならエイミィはもう少しきちんと答えられたかもしれない。

「そして、次に舞台が最悪です。そもそも、結婚の申し込みなんて一大事を家のダイニングでやる人間がいますか」

 いや、もしかしたらいるかもしれないが、それはある程度空気が整っているからだろう。いくらなんでも宴会の途中でいきなり言うものではない事は確かだ。

「いや、でも何所でも変わらないだろう」
「だから言ってるでしょう。予兆と雰囲気だと。言葉は変わらないかもしれませんが、雰囲気は変わるでしょうに。貴方がどこかのレストランにでも連れて行かれたら、何かあるかもとエイミィは思うでしょう。そうすれば、告白自体も違和感がないのですよ」

 要するにクロノは合理的過ぎたのだ。そこに雰囲気や感情というものが入る余地はまったくなかった。
 もしかしたら、この目の前の不器用な男のことだ。エイミィに告白するということで頭が一杯になり、それ以外のことがまったく考えられなくなったということも考えられなくもない。
 いや、クロノが打ちひしがれているところからそう考えるのが妥当だろう。
 おそらくエディックに言われたことを自覚して反省しているのだ。

 ―――海より深く、空より高く反省するといい。

 隣で打ちひしがれているクロノを余所にエディックはエディックで運ばれてきていた酒を飲もうと手を伸ばしたところで、通信機から呼び出し音が流れた。
 普通なら無視するところだが、流れた音楽は彼の最愛の女性セレナからの通信だ。出ないわけには行かない。
 隣の男はしばらくこのままだろう、と検討づけてエディックは酒場の通信用の部屋へと駆け込んだ。

「どうかしましたか? セレナ」

 通信室へと入って、エディックが通信を繋ぐとその向こうに見えたのはセレナの姿。しかも、明らかに怒っている。その具合はエディック的セレナレベルでいうなら最高レベルだ。その日はセレナのご機嫌取りに一日費やしても足りないという程度だろう。
 半分、笑みが引きつりそうなことを感じながらエディックはセレナにたずねた。もっとも、尋ねなくても理由を予想するのは簡単だ。

『エディ。そこにクロノはいるわね』

 それは疑問ではなく確信。だから、セレナはエディックからの答えを聞かず、間髪いれずに告げた。

『そこにいるバカを殴りなさい』
「やけにストレートですね」

 セレナらしいといえばセレナらしいが、あまりにも直接的な言い方に彼女の性格を熟知していると自覚しているエディックでさえ苦笑いしてしまう。

『あたりまえよっ! あの男……鈍い鈍いとは思っていたけど……まさか、こんなことまでやらかしてくれるとはね』

 自分が何も出来ないのか、あるいはやり場のない怒りをどうにかしたいのかしきりに身体を動かすセレナ。
 これは本気で次にクロノとセレナが顔を見合わせたときのことが怖くなる。
 唯一の救いとしてはセレナに攻撃魔法の適正がないことだろうか。もしも、エディックが知っている高町なのはのような攻撃特性があったと考えると、思わず身震いしてしまうほどに恐ろしい。

「まあまあ、彼も自分がバカということは理解しているでしょう」
『ん、エディがやったの?』
「ええ、今回ばかりは僕もさすがに頭に来ましてね。それで少しお説教をしてやりましたよ」

 にこやかに話すエディックだが、クロノが自分でも理解しているところに傷口に塩を塗るように攻め立てたのは彼自身だ。

「それで、僕からの提案なんですが……彼にもう一度チャンスを上げましょう」
『……そうね。このまま破局になったらエイミィが可哀そう過ぎるわ』

 ったく、エイミィもどうしてあんなやつを……とグチグチ言うセレナ。それを言うなら彼女こそどうして自分なんかと思うのだが、それを口に出すとセレナに怒られるので彼は何も言わない。

『それで、プランは?』
「まあ、僕のコネで場所は用意しましょう。そちらは、イブニングドレスなどの用意を……」
『分かったわ』

 少しだけ納得していないような顔をしていたが、それでもエイミィのことを慮ってかエディックのプランに乗ってくれたセレナ。これでエイミィのほうは大丈夫だと確信した。何よりセレナが親友のことで手抜きなどするはずがないのだから。

「さて、まずは……」

 そういうとエディックはどこかに向かって通信を始めた。


  ◇


 エディックがすべての仕込みを終わって通信室から出てきてみれば、クロノは相変わらずバーのカウンターでお酒を飲んでいた。飲んでいる量から考えれば、あれからさらに量を重ねているのだろう。

 まったく、お酒に逃げるなんて……

 もはや救いようがないかとも思えるが、心情的には分かる。
 ようするにエディックの言葉を理解したが故に自己嫌悪に陥り、そして自暴自棄とばかりに強い酒を重ねているのだろう。
 それはただの逃避で何も解決しないというのに。もっとも、逃げないから立ち向かえというが、その方法が分からないというのも理由だろう。
 剣も盾も持たずにただ立ち向かうことだけがいいとはエディックも思わない。だから、ここまでクロノが現実を見なかった事については多少目を瞑ろう。だが、今から自分が与える剣と盾を拒否するというのなら……そのときは―――

「クロノ」

 エディックが声をかけるとクロノはもはやまぶたが落ちそうなぐらいに虚ろな瞳をエディックに向ける。そこには意思のようなものは見えない。
 仕方なくエディックは、マスターにコップ一杯の水を頼んだ。

「私が少し話している間にバカが進みましたか」

 はぁ、やれやれと呟きエディックはマスターから受け取った水の入ったコップをひっくり返し、クロノの頭からぶっ掛けた。

「ぶっ!」

 氷が入っていたことから考えても相当冷たかったに違いない。
 その効果で多少は目が覚めたのだろう。虚ろだった瞳は、多少ましになり、何とか見れる程度になり、考える意識も戻ってきたようだった。

「なに――っ」
「私からの最後のお手伝いです。これ以上、私は貴方のお世話はしませんよ」

 何をするんだ? というクロノの言葉を遮り、エディックはそれだけを言うと、一枚のメモ紙をクロノに渡し、きびすを返した。

「お、おいっ!!」

 訳が分からずエディックを呼び止めようとするクロノ。だが、そのクロノの呼びかけにエディックがこたえることはない。もはや話すことは何もないといわんばかりにクロノのほうを振り返ることもなくエディックは店の外へと出て行った。

「くそっ」

 ドンッ! とテーブルをたたくクロノ。この行き場のない憤りをクロノはカウンターにぶつけるぐらいにしか思いつかなかった。


   ◇


「……あいつはどうしろっていうんだ」

 頼れる友人にさえ見捨てられ、もはやお手上げといった気分を吐き出すようにクロノは呟く。
 別に頼るつもりはなかった。自分が悪いことも分かっていた。だが、それでも自分の中に溜め込むことは出来なかった。誰かに聞いて欲しかった。
 そして、思いついたのはエディックだったのだ。
 魔法学校の頃から付き合いのあるクロノの友人。唯一と言っていいほどではないだろうか。
 だが、その友人からも見捨てられた。自分の行動をひたすらにバカとののしって。

「手伝い……か」

 もはや、クロノは残された一筋の希望にすがるようにエディックが捨てていったメモ紙を開く。

「………」

 ああ、やっぱり自分はバカだった。エディックに言われるまでもなくバカだったのだ。自覚していたけど、それ以上にバカだった。

 メモを開いてクロノはそれを痛感する。

 一瞬でもエディックを疑ってしまった自分が恥ずかしい。

「……ありがとう」

 クロノは、瞳から流れる雫を拭うことなく素直にこのメモを用意してくれた友人に感謝の礼を口にするのだった。


   ◇


「ねえ、あの二人大丈夫かしら?」

 すでに夜の帳がすっかり落ちてしまった夜、セレナとエディックは同じベットに入り、漂っている甘い雰囲気とは少しだけ異色な声色でセレナは自らの親友を慮った。その声色に乗っているのは不安。
 なにせ、相手はあの鈍感な男だ。何年も彼女の親友のアプローチに気づかず、乙女心をまったく読みきれていなかった彼だ。いくら万全に体制を整えいても不安が完全に拭えることはなかった。
 だが、そんな彼女の不安をエディックはくすっ、と笑い一蹴した。

「あの二人が大丈夫なわけないでしょう。それはセレナが一番よく知っているはずです」
「そうだけど……」

 そう、エディックがあの二人のことを知ったのは最近と言っても過言ではない。それに対してセレナはもう魔法学校に通っているときから見守っているのだ。あの二人がそれなりの場所で、それなりの雰囲気になれば大丈夫なことぐらいは理解している。
 だが、頭で理解しているのと心が不安なのは別の話なのだ。

「大丈夫です。僕が保障しますよ」
「どうして、そんなこといえるのよ?」
「簡単ですよ。今日、僕が用意した場所は、僕がこれをプレゼントした場所だからですよ」

 そういってエディックは布団の中で絡められた左手を表に出して、その薬指にはめている銀色のリングにそっと口付けた。それは証。エディック・スコールという男がセレナ・オズワルドという女性を一生愛するという証である。
 それを渡したのは、クロノたちが今いるであろう場所である。
 クロノとエイミィ、エディックとセレナ。同じような立場、同じような関係。その一組が上手くいったのだ。ならば、もう一組も上手くいかない道理があるだろうか。
 セレナもそれを理解したのか、不安に翳っていた表情が笑みに変わった。

「そうね。なら、大丈夫ね」

 翳りがなくなったセレナは、話すために少しだけ離れた距離を詰め、エディックの胸元に自らの額を当てるほどに近づく。エディックもセレナの意図を察してか、彼女の背中に手を回す。

「ねえ、エディック」
「なんですか?」
「エイミィたちが大丈夫だったら結婚しましょうか?」

 エディックの呼吸が一瞬止まった。

「――――本気ですか?」
「当たり前よ。こんなのこと冗談で言うほど悪い女じゃないわよ」

 エディックが驚くのも無理はない。プロポーズし、OKがもらえたエディックはセレナに聞いた。
 いつ結婚式を挙げようか、と。ミッドチルダでは、聖王教会で結婚式を挙げたときから結婚した夫婦として認められるからだ。
 だが、そのエディックの問いにセレナは「分からない。でも、今すぐは出来ないわ」と答えた。
 当然、エディックは理由を問うのだが、セレナは何も語らずエディックにお願いするだけだ。エディックがセレナのお願いを断れるはずがなく、そのままずるずると婚約という関係で過ごしてきたのだ。

「……どうして、と聞いていいですか?」

 あの時は答えてくれなかった問い。だが、今なら答えてくれそうな気がしたエディックはセレナに問う。エディックからセレナの表情は見えない。だが、声を殺して笑っているようにも感じられる。

「そうね。今なら答えてもいいわ。私が、あなたと結婚をしなかったのは――――」

 セレナの答えにエディックは、クロノを酒場での出来事以上に憎いと思うのだった。


  ◇


 そこから見える景色はなんと表現したらいいだろうか?
 前面ガラス張りの屋内から見える景色は、無数に存在する建物の光を受けて宝石箱のようにきらきらと輝いていた。確か、向こうには百万ドルの夜景という言葉があったと思うが、この光景はそれに匹敵するのではないだろうか、とフォーマルなスーツを着てぼんやりと目を奪われた夜景を来ないかも知れない女性を待ちながらテーブルに座っていた。
 目の前には予約席と書かれた紙が置いてある。

 昨日、クロノに手渡されたのは時間とこのレストランの場所が書かれたメモ紙。その下には『場所はセッティングしてあげます。上手くやりなさい』と書かれていた。
 つまり、これはエディックによって与えられた最後の機会なのだ。

 ――――ああ、今度こそ、上手くやるさ。

 クロノは懐に仕舞ってあるものに服の上から手を当てて昨日のような失敗をしない、と胸に誓った。
 それを誓ったちょうど、そのとき少し向こうに見えるエレベータから一人のピンクのイブニングドレスに身を包んだ女性が降りてきて、ウエイターから案内を受けているのがクロノには見えた。

 ドクンっ! と心臓が高鳴る。先ほどの決意すら鈍ってしまいそうなほどに高鳴る心臓。
 第一声は何がいいだろうか? 謝罪から入ったほうがいいのだろうか?
 さまざまな疑問が浮かんでくる。だが、そんなことをしている間にその女性の姿はだんだんと近づいてくる。そして、ついにクロノが座っているテーブルのすぐ隣にまで着てしまった。

「――――」
「――――」

 絡む視線。だが、二人とも何も口に出せない。何か言わなくてはいけないことは分かっている。だが、その第一声が分からないのだ。

「……こ、こんばんは、クロノくん」
「あ、ああ」

 結局、なんでもない一言から会話は始まった。

「……座ったらどうだ?」
「う、うん。そうだね」

 クロノの一言でようやく自分が立っていることを思い出したかのようにエイミィはスカートの裾に気をつけながら椅子に座った。

「失礼します」

 まるで、そのタイミングを見計らったかのように現れるウェイター。クロノとエイミィに何も言わせることなくフォークとナイフと料理の乗った皿とワインの入ったグラスを並べてしまい、すべてが終わった後には一礼し、音もなくその場から去ってしまった。

「……まずは料理を食べようか」
「そうだね。冷めるともったいないし」

 最初に何か言わなくてはと意気込んでいた割にはいきなりの料理で出鼻をくじかれた感があるクロノだったが、それはエイミィも同じだったらしい。急に現れたウェイターに意識を奪われ、何もいえなかったのはエイミィも同じなのだから。
 だから、クロノが料理を食べようといったとき、エイミィはいつものように苦笑とも微笑みともいえない笑みを浮かべていた。
 クロノはその笑みを見てほっと心の中で安堵する。少なくても怒っているわけではなさそうだったから。これが終始怒りっぱなしだったなら絶縁状をたたきつけられるかと心配するところだが、どうやらそれは心配ないらしい。

「クロノくん」
「ん?」
「乾杯」
「……ああ」

 あえて何にとは言わず、二人は真っ赤なワインが入ったグラスをチンと軽く鳴らし、まずは一口ワインを口に含んだ。

 ―――こんなとき、普通の恋人同士なら『君の瞳に乾杯』とか言ったりするんだろうな。

 一口ワインを含み、クロノは昔テレビで見たワンシーンを思い出しながらこっそりとそう思う。そして、この場を提供してくれた友人なら彼の最愛の人相手にそのくらいはやるんだろうな、と軽く想像できた。

 その後、二人の食事は進む。時折、会話も織り交ぜながら。だが、それは普段のそれである。昨日よりも前のクロノとエイミィの会話。つまり、『上司と部下』、『幼馴染』としての二人の会話である。
 クロノはその関係に少しだけ居心地よさを感じるが、その関係を進めたいという感情がそれを許さない。その感情はクロノを急かす。だが、今日は急がない。急いては事を仕損じるとは、クロノが身をもって体験した事の一つである。
 せめて、この食事が終わるまでは。

 料理と人の腹は無限ではない。やがて、料理の皿は全部片付けられ、ワインの入ったグラスだけが残された。

「なあ、エイミィ」
「ん〜、なに? クロノくん」

 グラスを回しワインという液体をくるくる回しながら夜景を見ていたエイミィの顔がクロノを直視する。少し酔っているのか彼女の頬は少しだけ上気している。その顔をまっすぐ向けられたとき、確かにクロノはドクンと心臓が高鳴るのを感じた。
 それは、幼馴染とか部下とかそんな感情ではない。もっと根源的なもの。
 そう、クロノ・ハラオウンはエイミィ・リミエッタに間違いなく男として欲情していた。
 だが、今のクロノにその資格はない。その資格は昨日に奪われたままだ。だから、話を進めるためにもクロノはその資格を取り戻さなければならなかった。

「すまなかった」

 テーブルに額がつくのではないか、というぐらいにクロノは頭を下げる。
 これで許してもらえるとは思っていない。だが、彼には素直に謝ること以外に方法を思いつかない。これで許してもらえなかったらはっきり言ってお手上げなのだ。
 いや、もちろん、他にも物で許してもらうなどの方法はある。だが、それでは物に許してもらっているようでクロノの心情が許せない。彼は彼による謝罪のみでエイミィに許しを得たいのだ。
 だから、これしか方法が方法が思いつかなかった。

「うん。許す」
「え?」

 意外なほど、あっけなく、エイミィは『許す』という言葉を口にした。

「確かにクロノくんがあそこであんなこと言うなんて予想できなかったから逃げちゃったけど……逃げちゃった私にも責任があると思うから」

 ―――だから、これでおあいこ。

 そういってエイミィは微笑んでくれた。
 なんてことはない。彼女は最初から許してくれていたのだ。

「それよりも、クロノくん、他に言うことがあるんじゃない?」

 そういうエイミィの顔には照れと期待が込められていた。
 ああ、そうだった。たった今、資格は返してもらった。ならば、次にクロノが取る行動は決まっている。

「ああ、そうだな。それじゃ、改めて、エイミィ聞いてくれるか?」
「もちろん」

 エイミィが力強くうなづくのを見て、クロノは懐のぶつに手を伸ばす。手は確かに小さな四角い箱に触れている。だが、それだけだ。カタカタと震える手が、その小さな箱を手に取ることを許してくれない。
 昨日はあれほど簡単に言えたというのに今日に限ってっ―――
 だが、ここまできて引き返すという選択肢はクロノには存在しないのだ。存在できるわけがない。だから、懸命に箱をつかみ、その箱を真っ白なテーブルクロスが敷いてあるテーブルに置き、すぅとエイミィの前に滑らせる。


「――――僕と結婚してくれ。エイミィ」


 言った。ようやく言った。
 昨日はあんなにあっさりいえたのに。今日は、その一言を口にするのに一日分の体力を使い切ってしまったほどに疲れてしまった。
 たぶん、昨日のクロノは急いてしまっていて、言葉の重みを知らなかったのだ。
 だが、今日のクロノは知っている。だから、こんなにも疲れるのだ。

 そして、エイミィは――――

「はい」

 小さく、瞳に涙をためながら頷いてくれたのだ。

「……本当にいいのか?」
「当たり前だよ。こんなことで嘘を言うわけないでしょ」

 瞳からこぼれてしまいそうな涙を拭いながら呆れたように、しかし笑いながらエイミィはクロノに言う。

「ずっと、こんな風になれたらいいなって思ってた。ありがとう、クロノくん」
「いや、お礼を言うのは僕のほうなんだが……」

 あれだけのことを言って許してくれて、自分を受け入れてくれたのだから、お礼を言いたいのはクロノのほうである。だから、その一言に最大限のお礼をこめてクロノは言う。

「僕こそ、ありがとう」

 その一言にエイミィは、テーブルに置かれた小箱を自分の胸に寄せて笑ってくれた。

「お客様」

 エイミィがクロノの言葉に再び涙を流しかけ、その雫を拭ったちょうどそのタイミングにいつの間にかクロノたちのテーブルに近づいたウェイターが声をかけてきた。
 その手に握られているのは、長方形のプラスチックがついた鍵。まるで、ホテルの鍵のようなものである。

「これは?」
「お部屋の鍵でございます」

 は? と疑問符が浮かぶクロノだったが、すぐにその意味に見当がついた。このレストランは同じビル内にホテルを持っている。つまり、ここで食事をしたカップルがそのまま―――というわけだ。

 ―――エディックめ。

 まさか友人がここまで計算しているとは思わなかった。おそらく、この部屋はエディックの差し金なのだ。
 クロノとしては、婚約がすんだことで満足なのだ。これ以上は何かこぼしそうで怖い。しかも、エイミィとそんな関係になってもおかしくはないと言っても、今日のほんの数分前の話なのだ。まさか、そんな性急に―――

「いいよ。行こうよ。クロノくん」
「っ! 君は意味が―――」
「分かってないはずないよ」

 ふっ、と綺麗な笑みを浮かべるエイミィにクロノは何もいえなかった。少なくもこれ以上彼女に何かを言わせるのは恥だと鈍感なクロノでも分かっている。
 だから、クロノは鍵をウェイターから手に取るとエイミィの隣に立って、少しだけ肘を出した。
 ここまでは自分の意思ではなかった。ならば、最後にお姫様をエスコートするぐらいは自分の意思でしたい。
 そのクロノの意地のようなものをエイミィは感じたのか、ぷっ、と笑って嬉しそうにクロノの肘に自分の肘を絡めさせる。

 レストランから出て行く新しい一組のカップルの姿をウェイターだけが見ていた。


  ◇


「さすがのクロノも今日ばかりは落ち着かないのかい?」

 突然の来訪者。開かれたドアをコンコンとノックされた方向を見てみれば、ドアに寄りかかるようにして黒いスーツを着たユーノの姿がそこにはあった。

「ユーノか……」

 いつもなら何かと喰い付いて来るクロノであるはずだが、今日ばかりはそんな余裕はなかった。はぁ、とため息をつき、微妙にそわそわしながら何かを待っているようにも思える。
 そんなクロノを見て、今度はユーノがため息をはく番であった。

「まったく、せっかくの結婚式だって言うのになんて顔をしてるんだ?」

 そう、結婚式である。
 その証拠にユーノが黒いスーツを着ているのに対してクロノは白いタキシードにその身を包んでいた。いつも着ているバリアジャケットから何まで黒いクロノを見慣れているユーノには新鮮に思える格好だ。

「少しは、エディックさんを見習ったどうだ?」

 クロノから少しだけ視線をそらしてみれば、そこにはクロノと同じく白いタキシードに身を包んだエディックの姿があった。

 そう、この結婚式はクロノとエイミィだけのものではない。同時にエディックとセレナという二組のカップルによる結婚式なのだ。

 彼はクロノと違って堂々としたものだ。のんびりと控え室に備え付けられた紅茶を口に運んでいた。

「このたびは結婚おめでとうございます。エディックさん」
「これは、ご丁寧に」

 ユーノが頭を下げるとエディックも頭を下げる。
 二人は初対面というわけではない。ユーノが管理する無限書庫には昔の資料があり、その中にはエディックが研究しているユニゾンデバイスに関する情報もあることから、幾度も顔を合わせている。特に今でははやてのユニゾンデバイスとなっているリーンフォース矯鄒時にはその殆どをユーノの情報に頼っていた。
 閑話休題。

 ともかく、そんなわけで男しかいないこの空間はそれなりの顔見知りで固められており、硬い空気が生み出されることはなかった。

「ところで、どうしてお前はここにいるんだ?」
「ん? なのはたちがエイミィさんとセレナさんの姿を見に行くって言ってたから別行動って訳さ」
「なるほど、それでセレナたちの準備はどうなのですか?」
「う〜ん、たぶんなのはたちが見に行くほどですから、もうすぐ終わるんじゃないですか」

 これはユーノの予想でしかないが、なのはたちが見に行くといったのにはそれなりの理由があるのだろうということを考えても妥当だと思った。

「それに……そうでもなければ、そろそろ心が持ちそうにない奴もいますしね」

 くすっ、とクロノのほうを見て笑う。それに同意したのかエディックもクロノのほうを見て笑う。
 確かに、クロノの先ほどからのそわそわする様子を鑑みれば、ユーノが言うことも納得できるだろう。クロノの様子はまるで、おやつを目の前に待てといわれた子供のような様子だ。

「ふん、お前もこの状況になれば分かるさ」
「残念。僕には相手がいないから、それは無理だね」

 今日のクロノには切れがない。それは事実だからか、あるいはユーノからのからかいも身に入らないほどに緊張しているのか分からない。
 
 う〜ん、僕じゃ無理だったかな?

 ユーノがここに来た本当の理由は、彼の友人であるはやてから「クロノくんも緊張してるやろうから、ほぐしてやってきてや」といわれたからである。だが、今のクロノの様子を見る限り、その役目を果たせたとは思えない。
 どうやって緊張をほぐしてやろうか、と考えていたユーノだったが、クロノ援護射撃は本人からではなく、意外なところから飛んできた。

「あれ? でも、ユーノくんははやてさんといい仲じゃなかったのですか?」

 エディックの意外な発言にクロノが食いつき、なんだそれはっ!? という視線をユーノに向ける。
 そのユーノからしてみれば、エディックの発言は意外すぎて驚くだけだ。
 確かにユーノとはやてはリーンフォース兇里海箸あってからよく話すようになったし、会うようにもなったが、それは友人としてであり、決してそんな関係ではない。
 だが、それはクロノからしてみればまったく関係ないことだった。先ほどまで攻められていたせいだろうか、にやりといつものように意地の悪い笑みを浮かべていた。

「ほぉ〜、いつの間にそんなことに」
「いや、それは、エディックさんの勘違いだよ」
「あれ? でも、この間、一緒に食堂でお昼を取っていませんでしたか? しかも、あれはやてさんのお弁当でしたよね?」

 なんでそんなところ見てるんですか!? というユーノの心の突っ込みはまったくエディックに届くことはなかった。
 あれは、偶然出会ったにすぎず、しかもお弁当は本来ヴィータの分だったのだが、本人が忘れたため残飯処理をしたに過ぎない。

「ほぉ、ほぉ、ほぉ〜」

 だが、そんな裏の事情をクロノが知るはずもなく、説明しても信じてくれるはずもない。従って、ユーノが取れる判断は一つだけだった。

「ああ、そろそろ、式が始まるんじゃないか? 僕は早く行かないとっ!!」
「あ、こらっ!」

 態とらしく時計を見た後、ユーノは思いっきり動揺したまま、踵を返すとその場を脱兎のごとく逃げ出した。
 だが、そのまま逃げ出す前に何かを思い出したかのようにドアの前で一度止まり、顔だけをクロノの方に向けると捨て台詞のように一言だけ残していった。

「おめでとう、クロノ。幸せに」

 それだけ言うと、本当にユーノは式の会場へと走り出してしまった。

「……ったく」
「―――いい友人を持ちましたね。クロノ」

 最後の捨て台詞に追いかける気力をなくしたクロノはその場で悪態づくしかなく、そんなクロノを見て、エディックは誰も寄せ付けなかった学生時代とは変わったクロノを見て微笑むのだった。
 ついでに、そのときにはクロノから緊張の色はすっかりと抜け落ちてしまっていた。


  ◇


「綺麗よ。エイミィ」
「ありがとう。セレナも似合ってるわよ」

 お互いに純白のウエディングドレスに身を包み、お化粧もすっかり済んでしまったセレナとエイミィはお互いにお互いの格好を褒める。

「しかし、ようやくここまで来れたわね〜」
「そうねぇ〜」

 お互いに褒めあったところで、二人はこれまでを思い返して感慨深く思う。

「お互いにクロノとエディを捕まえたら一緒に結婚式を挙げましょうなんて、あの時は冗談交じりだったのに」
「まさか本当に実現できるなんてね」

 お互いにクスクスと笑い合う。

 それは学生時代の話だ。エイミィはクロノに、セレナはエディックにそれぞれ恋をしていた頃、二人は似たような立場からお互いに恋愛相談をしていた。そのとき、冗談交じりに交わされた約束が『一緒に結婚式を挙げる』というものだ。もちろん、相手は当時の男たちだ。
 当時は、本当に冗談交じりだった。だが、今はこうして実現している。

 時々、セレナは思う。

 ―――これは夢じゃないか、と。

 すべてが変わったのはあのテロ事件のとき。あのときからエディックは妙にセレナに優しく、そして積極的になっていた。もしもあの事件がなかったら、自分たちの結婚はあと数年は遅れているのではないか、というほどに。
 だから、時々ふと思う。

 ―――自分は、あの時死んでいて、これは夢の世界ではないのか、と。

 それを否定は出来ない。だが、それでもセレナにはエディックのあの温もりを否定することは出来ない。あのエディックの温もりは確かに現実だといえる。彼の笑みは確かに現実だといえる。
 だから、たぶん、これは現実なのだ。それはそれで嬉しさがこみ上げてくる。愛しい人と一緒になれる幸せだ。

 そして、それはきっと目の前にいる親友も同じだろう。
 だから、こんなにも笑みが綺麗だと思える。同性から見ても綺麗と思える笑みなのだ。当然、クロノなど骨抜きだろう。そして、たぶん自分の笑みもエディックを骨抜きに出来るだろう。そう確信を持っていえた。

「セレナさん、エイミィさんっ! 準備出来ましたか? 式の時間ですよっ!!」

 ――――さあ、幸せになりに行こう。


  ◇


 式は厳かに行われた。
 聖王教会のそれなりに大きな教会で、身内だけの参列者とはいえ、それなりの数の参列者の中で、クロノの友人で聖王教会聖女カリム・グラシアの元で粛々と式は進められる。
 すべての父であり、母である聖王の前で愛を誓い、その証である口付けと指輪の交換を行い、エディックとセレナ、エイミィとクロノは確かにお互いに歩み行く夫婦として認められた。
 そして、今からはそのお披露目だ。
 おそらくドアの向こうには今日の参列者たちが左右に並んでみんな見ているだろう。そのドアの前でエディックとセレナが、クロノとエイミィがお互いに腕を組んでドアが開く瞬間を待っていた。
 セレナは、式が終わった後の高揚感からか、ふわふわとした感覚を感じながらも胸いっぱいに広がる幸せを感じていた。

 やがて、ゆっくりとドアが開く。

 暗い教会の中から一気に明るい空の下に晒された二組の新しいカップルは一瞬、その光に目を細めるが、それも一瞬だ。すぐにお互いを確認すると一歩一歩確認するように教会の外に敷かれた赤い道に従ってゆっくり歩いていく。
 セレナには今日の参列者たちの歓声がうるさいぐらいだったが、それが逆に心地いい。みんなが祝福してくれているのが分かるから。

 今日のもう一人の主役であるエイミィとクロノがこれ以上ないぐらいの笑みで笑って、手を振り歓声に応えている。
 ひょんなことから知り合った管理外の世界の少女であるアリサ・バニングスと月村すずか、そしてアリサの融合機であるエターナルブレイズの管理人格であるトワが幼い少女のままで、祝福するような笑みを浮かべて拍手している。
 エディックの研究に協力してくれている無限書庫の管理人ユーノ・スクライアとエディックの二作目であるユニゾンデバイスであるリーンフォース兇離泪好拭爾任△詒神はやてが、祝福するように紙ふぶきを撒いてくれていた。
 クロノの義妹であるフェイト・T・ハラオウンとその親友である高町なのはが、ちょっとだけ控えめに祝福する笑みを浮かべて拍手を送ってくれていた。

 ――――みんな、みんな笑顔だった。

 ああ、これが自分が目指した理想の一つなのかもしれない、と不意にセレナは思う。

 みんなが幸せになれる世界を。

 それは、セレナの目指すものである。そして、その現実がそこにはあった。
 この場限りかもしれない。幻想かもしれない。でも、確かにその理想がそこにはあるように感じられた。

 そう、確かに並んでくれているみんなは幸せそうだ。だったら、唯一顔が見えない。そして、一番幸せになって欲しい最愛の彼はどうだろうか?

「ねえ、エディ」
「何ですか? セレナ」

 ゆっくりと前に進みながら、顔は前を向いたままエディックは応える。

「貴方は今、幸せ?」

 多分、答えは聞かなくても分かっていた。でも、それでも言葉にして欲しいことはあるのだ。
 しばらく答えはなかった。やがて、四人が立ち止まる位置に着たのか、四人は立ち止まる。
 そこで、セレナはこの道を歩いている中で初めてエディックの顔を見た。

 ――――今まで見たことのないほど幸せに満ち足りたエディックの笑みがあった。

「もちろんです。貴方と一緒になれるのですから、それ以上の幸せが僕にありません」

 その言葉で彼がどれだけ幸せか実感できた。それだけでセレナは満足した。
 だから、次に紡がれるエディックの質問は予想外だった。

「セレナ。あなたは幸せですか?」

 ―――この男は何を問うているのだろうか?

 四人が参列者のほうへと向き直る。

 ―――幸せか? その問いは愚問だ。自分の胸はこんなにも幸せで一杯だ。一杯過ぎてあふれてしまいそうなほどに。

 だから、セレナは次に行われるブーケトスの準備をしながら、何も分かっていなさそうな隣に立つエディックに思いっきり宣言してやることを決めた。

「決まってるじゃない―――」

 ふっ、と思いっきり右手に持っていたブーケをした投げで上手く投げられるように後ろに持っていく。

「―――私は今、最高に幸せよっ!!」

 ふわっ、と二つのブーケがほぼ同時に青空の下に舞うのだった。


FIN
| 浅木原忍 | 22:33 | comments(1) | trackbacks(0) |
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Comment
久々の『ユグ枝』シリーズ。
ようやく2組がウェディング。
ブーケは…この時点では、なのはとすずかに取って欲しい。
Posted by: ユリかもめ |at: 2007/12/11 3:49 PM








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 3 / 火焔猫燐
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 6 / 火焔猫燐
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 14 / 火焔猫燐
 15 / 古明地さとり
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 お願い
 海と水着と……
 何年経っても変わらぬ関係
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