秘密のrouge
2007.06.05 Tuesday | category:投稿&頂き物SS
「なのは?」
「あ、フェイトちゃん」
なのはが驚いて振り返った
「何見てたの?」
「う、ううんなんでもないよ」
私はなのは見ていた方を見みる
そこはデパートの化粧品コーナー
色々なお化粧の道具と綺麗な口紅がいっぱい並んでた
「あ・・もしかして」
「あぅ・・」
私は前日のクラスでの会話を思い出した
それはお化粧の話
小学生でも高学年になると
女の子はお化粧にも興味が出てくるわけで。
勿論学校では禁止だけど
休日には少しだけお化粧している子もいるらしい。
私も少しは興味はあるのだけど
リップクリーム位でお化粧したことは無かった。
「こんにちは?」
「良かったらつけてみる?」
二人で何となく見ていたら
お店のお姉さんが優しく声を掛けてきてくれた
「えっと・・・その・・」
「あの・・その・・」
二人とも困っていたのだけど
「あなたにはこの色かな?」
なのはに薄い桜色のルージュを
「あなにはこっちが似合うかも」
私には真っ赤なルージュを勧めてくれる
その・・なのはにはすごく似合ってると思ったけど
私にその・・赤いのは派手だと思う・・・
私たちにはまだ早いと思っていたし
何より学校では禁止されているし。
それに私たちのお小遣いでは買える金額ではなかった。
「フェイトちゃん、絶対似合うよ!」
断ろうかと思ったのだけど
何故か、なのはまで勧めてくれる。
「でも・・そのお金が・・」
「じゃあ1つだけ買おう?」
困って思わず言うとなのはがそう言い出した
「二人で1つだけ買ってみよう?みんなには内緒で」
「う、うん」
(私となのはと二人だけの秘密・・)
私はその言葉にドキドキしてしまい
思わす頷いてしまった
「じゃあどちらにしましょう?」
「赤い方をお願いします」
「なのは?!」
お姉さんの言葉に
なのはは先に答えていた
「はい。少々お待ち下さい」
お姉さんは丁寧に包んでくれている
「なんで赤にしたの・・?」
私がなのはに代金の半分を渡しながら聞いてみると
「だってフェイトちゃんに似合うと思うから」
「あぅ・・」
そのなのはの笑顔に私は俯いてしまった
「ありがとうございました」
綺麗に包まれた小さな箱を受け取ると
私たちは慌ててデパートから帰っていた。
お店のお姉さんは付け方を教えてくれようとしたけど
こんな所を知り合いに見つかったら大変なことになってしまうから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そしてなのはと私は
私の部屋の鏡の前で
お互い向かい合って座っていた
「じゃ、じゃあつけてみよっか?」
「う、うん・・」
「えっと・・なのはからいいよ?」
「フェイトちゃんつけていいよ?」
二人で同時に言って固まってしまう
「なのはにつけてあげるよ」
私は口紅を手に取るとなのはの前に行く
「え・・でも」
「ね?」
「う、うん」
私が微笑むと
なのはは顔を真っ赤にしながら頷いてくれた
「じゃ動かないでね」
そう言いながら私は赤いルージュを
なのはの唇にそっとつけていく
(やわらかい・・)
小さくて柔らかい桜色の唇
それはまるで桜の花びらのようで。
キスをした時に感じるのとは違う不思議な柔らかさ
私はなのはの唇に丁寧に口紅をつけていった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あぅ・・・なんか変」
それが鏡を見たなのはの感想
「そ、そんな事ないよ?」
私は慌てて含み笑いを隠しフォローする
「フェイトちゃん笑ってる・・・」
なのはは拗ねた目でこちらを見ていた。
ルージュは綺麗につけれたのだけど・・・
その・・・なのはに真っ赤なルージュは不思議な感じだった
なのはは
肌も唇も綺麗な桜色。
そこに真っ赤なルージュをつけたら
まるで唇だけ浮かび上がってしまった様になっていた
「うぅ・・」
「やっぱり桜色の方が良かったかな?」
私がそういうと
なのははティッシュで自分の唇を拭き
「じゃあ今度はフェイトちゃんの番!」
と私を座らせる
「あ・・うん」
私が素直に座ると
なのはもルージュを持って私の前に座る
「じゃ、つけるね?」
「う、うん・・」
私は緊張しながらなのはにルージュを塗ってもらう
(あ・・これって間接キス・・?)
突然そんなことが頭に浮かび
頬が熱くなってしまう
でもなのはがじっと私を見つめているので
顔を動かす事は出来ない
なのはは丁寧につけてくれる
頬に添えられている手の柔らかさと
唇に当たるルージュの感触
直ぐ目の前にある、なのはの顔
そして少しだけ届く吐息に
わたしはドキドキしてしまう。
でもなのはの瞳から目を離せず
ずっと見つめていた
「はい、できたよー」
なのはの声に私は恐る恐る鏡を覗いてみる
「え・・」
そこにいたのは私だけど私じゃなかった
頬はまだ少しだけ赤くなっていて
その中で唇が不思議な赤色に染まっている
「へ、変じゃない?」
「フェイトちゃん綺麗ー」
「あ、ありがと・・」
私は改めて鏡の中の私を見つめる
そこには少しだけ大人のフリをした感じの私がいる
「やっぱりフェイトちゃんには赤い口紅が似合うね」
鏡を見つめている私に、なのはがそう言ってくれる
「にゃはは・・私はまだまだに似合わないや・・」
「なのはにはもっと薄い桜色の方が似合うよ」
「そうかなー?」
私の言葉になのはは首を傾げながら呟く
「こんなに赤くなくてもっと薄い・・」
私はそこまで言ってちょっと思いつく
「ね、なのは?」
「うん?」
突然言葉を止めた私をなのはは不思議そうに見ている
私はなのはの頬を両手でそっと包んだ
「ふぇ、ふぇいとちゃん?」
突然行動になのはは驚く
私はなのはを見つめながら近づいていく
なのははじっと私を見つめてくれていた
そしてー
ーー静かに唇を重ねるーー
辺りが静寂に包まれる
ほんの少しの後、私は唇を離した
「ふぇいとちゃん・・?」
不思議そうにするなのは
「なのは、ほら」
私はなのはを鏡に向かわせる
「あ・・」
そこに居たのは、自然な位の赤いルージュをつけたなのは。
「あ・・」
「も、もう!フェイトちゃん!」
なのはは少しの間鏡を見つめていたけど
突然私を振り返ると頬を膨らませて怒る
「あはは、ごめん」
私は笑いながら謝った
「綺麗だよ。なのは」
私がそういうとなのはは顔を赤くしながら
「ありがと・・」
と言ってくれた
私は改めてなのはを見つめる
普段から可愛いくて、表情の良く変わるなのは。
けれど今ここに居るのは
薄い赤のルージュをつけ
少し背伸びをしながら大人の階段を上っている なのは
そんないつもと違うなのはは今、
潤んだ瞳で私を見ている
「なのは・・」
「ふぇいとちゃん・・」
私はその蒼い瞳と赤い唇に引き寄せられるように近づいていく
そして私達は唇を重ねた
普段のキスとは違う。
なのはの甘い味と初めてのルージュの不思議な味に
頭がしびれて来る
そっとなのはを抱きしめると
なのはも私を抱きしめてくれた
しばらくしてから、ゆっくりと離れ見つめあう
「ふふ・・」
「にゃは・・」
何となく笑いがこみ上げてきて二人で笑いあう
「フェイトちゃん口紅ぬると別人みたい・・」
「なのはもそうだよ・・?」
「にゃはは・・」
「でも流石に普段はつけられないね」
なのはの呟きに私が答えると
なのははぎゅっと私に抱きついてきて私の胸の中で呟いた
「フェイトちゃん、私と居る時しか口紅つけちゃダメだよ?」
「え、なんで?」
「だって・・」
なのはは私の服をぎゅっと握り締めながら囁いた
「こんなに綺麗なフェイトちゃん誰にも見せたくないよ・・」
「なのは・・」
ーーー嬉しいーーー
なのはを誰にも見せたくない。
誰にも渡したくない。
それは小さな独占欲。
私が思う事を、なのはも思ってくれて。
そのこと事がたまらなく嬉しかった。
私はなのはに囁く
「わかった。なのはの前でしかつけないね」
「うん!」
「だから・・」
「ふぇ?」
「なのはにルージュをつけるのは私だけだよ?」
「あぅ・・・」
なのははさっきの事を思い出し真っ赤になる
私も自分の頬が赤くなってるのがわかる。
「じ、じゃあ毎日ぬってもらいに来てもいい・・?」
「もちろんだよ・・・」
私達はまた唇を重ねる
二人の秘密のrouge
ーーその赤い唇に捕らわれたのは私?それともーー
Comment
2人だけの秘密。それだけで鼻血が!
きっとこれ以外でも2人だけの秘密がありそうです。
いや、きっとある(断言)。
きっとこれ以外でも2人だけの秘密がありそうです。
いや、きっとある(断言)。
Posted by: ユリかもめ |at: 2007/06/05 2:33 PM
シンプルイズベストです
「こんなに綺麗なフェイトちゃん誰にも見せたくないよ・・」
素晴らしきmonoporizeです。
愛故の独占欲は、恋人同士にとってスパイスどころか更なる愛情を燃え上がらせる爆弾になる事も…
上記のユリかもめ氏の御言葉ではありませんがなのはとフェイトの事ですからきっともっと沢山の秘密があるんでしょうね♪
「こんなに綺麗なフェイトちゃん誰にも見せたくないよ・・」
素晴らしきmonoporizeです。
愛故の独占欲は、恋人同士にとってスパイスどころか更なる愛情を燃え上がらせる爆弾になる事も…
上記のユリかもめ氏の御言葉ではありませんがなのはとフェイトの事ですからきっともっと沢山の秘密があるんでしょうね♪
Posted by: LNF |at: 2007/06/05 7:57 PM
どんな秘密を二人で持ったとしても、部隊長殿には筒抜けだったりして。(レイジング+バル+デバイスマスターがソース)
Posted by: mayu |at: 2007/06/05 8:49 PM
秘密の共有、それでお二人ともさらにおキレイになられますね。
これからもあんなことや、こんなことの人には言えない、二人だけの秘密をたくさん作っちゃってください!
これからもあんなことや、こんなことの人には言えない、二人だけの秘密をたくさん作っちゃってください!
Posted by: 鴇 |at: 2007/06/05 11:45 PM
浅木原忍様 こちらこそお忙しい時に投稿してしまい申し訳有りませんでした。またそれにも関わらず掲載して頂きありがとうございます。これからも浅木原様の素晴らしいSS楽しみにしています。
ユリかもめ様 私もこの二人はまだまだいっぱい秘密はあると思います。だって恋する乙女は秘密の結晶なのですから!
LNF様 この二人はシンプルでストレートな言葉で伝え合う事も似合う気がします。だからこそどこまでも突き進んでくれると思っています。もう見ている方が恥ずかしくなる位に。
mayu様 部隊長殿が知ったら恥ずかしさで悶えてそうですね。レイジングハートは目の前で見て、どうしてるんでしょう・・?毎晩バルに話してるのでしょうか?そういったSSも楽しそうですよね。
鴇様 秘密を持つとミステリアスな魅力が加わったりしますよね。この二人がさらに魅力的になったら周りは大変そうですね・・。でも秘密の数だけ絆も強くなっているのだと思います。
読んで下さった方へ
こちらのサイトで数々の名作SSに影響されて、勢いと思いだけで書いてみました。こちらの名作の数々とは比べるべくも無いない稚拙な出来ですが読んでくださり、あまつさえ感想まで頂きありがとうございました。
ユリかもめ様 私もこの二人はまだまだいっぱい秘密はあると思います。だって恋する乙女は秘密の結晶なのですから!
LNF様 この二人はシンプルでストレートな言葉で伝え合う事も似合う気がします。だからこそどこまでも突き進んでくれると思っています。もう見ている方が恥ずかしくなる位に。
mayu様 部隊長殿が知ったら恥ずかしさで悶えてそうですね。レイジングハートは目の前で見て、どうしてるんでしょう・・?毎晩バルに話してるのでしょうか?そういったSSも楽しそうですよね。
鴇様 秘密を持つとミステリアスな魅力が加わったりしますよね。この二人がさらに魅力的になったら周りは大変そうですね・・。でも秘密の数だけ絆も強くなっているのだと思います。
読んで下さった方へ
こちらのサイトで数々の名作SSに影響されて、勢いと思いだけで書いてみました。こちらの名作の数々とは比べるべくも無いない稚拙な出来ですが読んでくださり、あまつさえ感想まで頂きありがとうございました。
Posted by: 月翼 |at: 2007/06/08 3:10 PM
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