親友>恋人・・・? ―結末なの―
2007.03.22 Thursday | category:投稿&頂き物SS
こんにちは、高町なのはです。
ついこの間まで平凡な小学生だった私も、今では中学生。
管理局のお仕事と学校の両立は大変だけど、フェイトちゃんが一緒だから毎日すっごく楽しいです。
今日は久しぶりにフェイトちゃんと二人きり。嬉しいなっ。
けど、ひとつだけ問題が―。
…フェイトちゃんが、倒れちゃいました……。
― 宿 (客間) ―
うぅ……ま、まさかのぼせてたなんて…。
情けない……。
で、でも、なのはと二人っきりになれちゃったし、いいのかな?
作戦では、な、なのはを部屋から連れ出して、それで……。
……。
な、なのは、早く戻ってこないかな…早く帰ってこないかな。
私の看病するって言ってくれたんだから、ずっといてくれなきゃダメだよ。
せっかく、せっかく……。
「おまたせっフェイトちゃん。冷たいお茶、買って来たよ」
「ひゃっ」
「ん〜フェイトちゃん、まだ熱さが取れないかな?顔真っ赤だよ」
「そ、そう、かも…」
あぁ、落ち着いたと思ってたドキドキがまた……。
「はい、気持ち良いよ〜」
「んっ。ふぅ……」
冷たい缶が、火照った頬を冷やしてくれる…。
「フェイトちゃん、それ飲んだらもう休んだ方が良いんじゃない?」
「…そうだね、もうすることもないし」
…なのはにこ、告白することを除けば、ね…。
「もし何かあったら言ってね。遠慮しなくて良いからね」
「うん、ありがとう。なのは」
………
「それじゃあ、おやすみ、フェイトちゃん」
「…おやすみ、なのは」
……。
……。
…こ、ここで、勝負に出るんだよね、みんなっ。
「…なのは…ちょっといい?」
「ん?」
「少しだけ、お話…」
「うん、いいよ」
……。
大丈夫、大丈夫…きっとなのはは…。
「…なのはは、その、こ、恋人とか、いないの?」
「?うん、いないよ、そんな人。」
「ユーノ、とかは…」
「ふぇ?ユーノ君?」
……。
「ううん、考えたこともなかった」
よ、良かった…まだ、大丈夫だ。
「そう…じゃ、じゃあ、恋人作るとしたら、…どんな人が、なのははいい?」
「ふぇ?…うーん……」
「……」
聞かなきゃ、ショックを受けるかもしれないけど、これは聞かないと。
けど、もし…もし、誰かの名前が出てきたら…?
ゆ…ユーノ、とか…。
「あっ!フェイトちゃんみたいな人っ」
フェイトチャンミタイナヒト…?
ふぇいと、ちゃん……。
フェイト……。
………。
「ん〜だけど、フェイトちゃんみたいな男の人ってなかなか……?フェイトちゃ…」
「ッ……」
「わっ」
「あ……」
…の、のっかっちゃった……なのはに。
え、と…作戦では、ここでお、押し倒して…。
…良かったね、これで思い通りになったね。
え―?
なのはと二人っきり。なのはの側にいられる人は自分だけ。あとは……。
……!
フェイトの願望が、現実になったんじゃない。
もっと素直に喜んだら?それとも、なのはの前だから焦ったふりをしているの?
私、そんなつもりじゃ……。
何を言ってるの、図星でしょ?なのはに自分より親しい誰かができたら、嫌なんでしょ…?
…そんな、こと…。
今日のフェイト、すごかったね。いつもの恥ずかしがりやさんとは別人みたい。
………。
今日のフェイトを見て、なのはは何て思ってるのかな?
………!
ほら、告白しなよ。それで計画は成功。
「ふぇ、いとちゃん…どうして、泣いてるの?」
「…へ?」
あ、あれ…おかしいな…こうなることを望んでたのに…。
…あっ、あっ涙が、なのはに……。
「っ…ご、めんね、ごめんね…なのは…」
…私、今日、どうかしてたよ…何で、こんなこと…。
…… ち ゅ ……
「……」
「…泣かないで…」
…あ、れ…今、もしかして…。
……。
「…フェイトちゃんが一生懸命何かを考えてるのは分かってたよ。でも、ごめんね。やっぱり言葉にしてくれないと、分からないみたい」
「っ…なっ、なのはは……」
「うん?」
「わた、私が、こ、こい、びとになりたいって、いっ言ったら…ど、どう、思うっ?」
「………」
なのは、私の顔見ないで。
だって私、変な顔してる。
目が涙でいっぱいだし、口だってへの字から動かない、身体の震えも止まってくれない。おまけに、きっと顔も真っ赤だ。
こんなはずじゃなかったのに…っ。最低だ…。
「…ごめんね、上手く言えないかもしれないけど…」
「………」
そういうの間違ってるよ…かな。
それとも、フェイトちゃんとは、付き合えないよ…かな。
「私、恋人とか作ったことないし、恋人になってフェイトちゃんが喜ぶなら、私もそうしたい…」
「ん……」
「けど……よく分からないの。フェイトちゃんが大好きなことに変わりはないのに……親友じゃ、ダメ?」
………。
「フェイトちゃんがフェイトちゃんてことに変わりはないのに。私が、誰よりも好きなのに…」
………!
「…とりあえず、私がフェイトちゃんに伝えたいことははっきり分かってるから…言うね?」
「うん…」
「……側にいて欲しい……な……」
……。
「私、なんとなくだけど、フェイトちゃんよりも分け合いたい、側にいてくれないと、いやだっ…っていう人は、これから現れない気がするの…」
………。
「それくらいフェイトちゃんは、私にとって、大切な人だから……それは本当だから、信じて」
……大切な…。
「…ごめんね、これじゃ、答えになってないかな…」
……。
…なってないよ、なのは…。
それって、もしその、なのはにとって素敵な人が現れたら、その人が今の私のいるなのはの「そこ」に割り込んでくるってことでしょう?
……だったら私も、なのはの「そこ」は、誰にもわたさない。
わたすもんかっ。
「にゃあっ、くっくすぐった、いよぉ」
「…離さないよ。なのは、離したらきっと誰かと仲良くなっちゃうんだから」
「うぅ〜!じゃあ、どうしたら信じてくれるのっ?」
はむっ
「きゃっ」
…か、噛んだ…なのはが、私のみ、耳たぶ、噛んだ…。
……。
もぉ、なのはのばかっ。
「な、なのはぁ〜」
「えへへ、おかえしっ」
お、おかえし。
…こんなことしてもらえるの、きっと…。
「…ふふっ」
「あはは」
変だな、まだドキドキはおさまらないけど、なんだか…心地良い。
それも、きっと……。
「…え、えと……さ、さっきの、もう一回、してくれたら、しっ信じるよっ」
「さっきの……?クス、一回で良いんだ?」
「あ、や、やっぱり二回…」
「な〜んだ、それだけでいいんだ。じゃあ簡単だっ」
かか、簡単っ!?
「そのっいっいっぱいっ」
「にゃはっ、いえっさー!」
かぷっ
「ひゃっ」
「まず一回目〜」
「ち、違うよなのはっ、耳じゃなくて…」
「あれ?耳じゃないの?」
うぅ、なのはがいじわるな顔してる。
私に、は、恥ずかしいこと、言わせようとしてるんだっ。
「なのはの、ばかっ!」
「にゃはは、ばかだもん〜」
「わ、私だって…」
ちゅっ
「……ふぇ…」
…ばかだもん……。
「…フェイトちゃんの、エッチ…」
「え、エッチだもん……」
「……私の、せい?」
「そうだよ、なのはのせいだよ」
なのはが相手じゃなきゃ、こんな風になるわけ、ないじゃないか。
「……じゃあ、私もこれから責任取らなきゃいけないね」
「………」
…なのはのその言葉に私は腕にかけていた力を緩め、なのはに身体を預けた…。
「…ねぇ、なのは。その、このまま一緒の布団で寝て、良い?」
「いいよ。フェイトちゃんが抱き枕になってくれたら、すっごく気持ちよさそうっ」
「だ、ダメだよ。なのはが私の抱き枕になるんだから」
「むぅ〜〜」
「……」
なのは、膨れてるのに顔にやけてるよ。
…もう、なのはにはかなわないなぁ…。
「…ふふふっ」
「クス」
…ごめんね、みんな。やっぱり私、告白できなかったよ。
けど、後悔はしてない。
私はこのままで…ううん、もっともっと、なのはとの「絆」を深めていくんだ。
なのはを一番、「近く」で支えていくために。
― 持つべきものは 親友〜とも〜 ―
「親友>恋人・・・?」END
― おまけなの ―
― 帰りのバス ―
『あ り の ま ま の キ モ チ を ―――』
「………」
『キ ミ の も と へ ―――
つ た え た い ――――』
「………」
…どうして誰もツッコマないのかしら、この状況に。
ツッコミどころはいっぱいあるでしょうが。
こんなところでイチャつくなとか、ここでその曲歌うのかとか、デュエットするなとか…。
いつものツッコミ役は何してるの…ってよく寝てるようね。
全く、肝心なときに…。
よだれまでたらして、うらやましい限りよ。
一生寝てなさい。
『ボ ク の な ま え を よ ん で ―――
あ の ひ の よ う に ―――
わ ら い か け て ――――』
「…にゃはは」
「ふふ…」
「熱いねっ二人とも〜」
「もう子供はできたの〜?」
「式には呼んでね〜」
バカばっかりね、ホントやんなっちゃう。
「アリサちゃん、アリサちゃん」
「ん〜?何、すずか」
アンタなら分かってくれるわよね、私の今の気持ち。
「今度はアリサちゃんがエタブレ、歌ってくれない?私に向かって」
「………」
あ、そう。そういうこと。
つまり、私にもバカになれと。そーいうことなのね。
『続いてアリサちゃんが歌います〜。曲はエタブレ、アリサ、トゥ、すずかバージョンや!』
コラ、ツッコミ。アンタ今までぐーすか寝てたでしょうが。
そんなに私を弄りたいの…。
「ほらアリサちゃん、マイクや」
はぁ…分かったわよ。
やればいいんでしょ、このバカチン共がっ。
『っはぁるぅかぁそらひびいてるぅ〜〜
ぃいのぉりはぁ〜〜きぃせぇきぃにぃ〜〜〜!!』
「…アリサちゃん、この曲演歌ちゃうよ……?」
Comment
なるほど…こうくるとは…。
フェイトのなのはに対する思いとか、不安とか…よく伝わってきました。
でもやっぱり二人の様子はまるで恋人のそれのようですなw
フェイトのなのはに対する思いとか、不安とか…よく伝わってきました。
でもやっぱり二人の様子はまるで恋人のそれのようですなw
Posted by: maisyu |at: 2007/03/22 8:44 PM
いや、もうなのはさん?
そこまで言うんならもっとはっきり言っても宜しいかと。
うん、どう解釈しても
「私が好きなのはあなただけ♪」
って言ってるように聞こえますが…
まぁ…いいか、なのはだしね。
うん。
それにしてもノリのいいクラスやわぁ…
最後にアリサさんヘ。
「人間、諦めと開き直りが大事です」
そこまで言うんならもっとはっきり言っても宜しいかと。
うん、どう解釈しても
「私が好きなのはあなただけ♪」
って言ってるように聞こえますが…
まぁ…いいか、なのはだしね。
うん。
それにしてもノリのいいクラスやわぁ…
最後にアリサさんヘ。
「人間、諦めと開き直りが大事です」
Posted by: LNF |at: 2007/03/22 10:12 PM
このような終着駅に到着しましたか。フェイトがどれだけなのはの事を想っているかよくわかりますね。
親友<恋人とまでにはいかなかったけど心=体、そばにいて欲しいという気持ちは一緒ですね。
親友<恋人とまでにはいかなかったけど心=体、そばにいて欲しいという気持ちは一緒ですね。
Posted by: 鴇 |at: 2007/03/22 10:32 PM
えっと・・つまり・・・
あぁぁ〜国語力が足りないから、はっきり言ってくれないと解らないよ・・・
おバカ産なのでね、でへへへ
でも、言葉じゃない部分では、なんとなくですけど伝わりました
いや伝わりました!
なのはの愛が!
でも、それ故にどうしてはっきり言ってくれないのかが解らない・・
それは私がおバカ産だからか・・・むっふ
シリーズものって、呼んでる時だけじゃなくて、待ってる時もドキドキしちゃうのがいいですね
気になって、気になって困っちゃうけど
あぁぁ〜国語力が足りないから、はっきり言ってくれないと解らないよ・・・
おバカ産なのでね、でへへへ
でも、言葉じゃない部分では、なんとなくですけど伝わりました
いや伝わりました!
なのはの愛が!
でも、それ故にどうしてはっきり言ってくれないのかが解らない・・
それは私がおバカ産だからか・・・むっふ
シリーズものって、呼んでる時だけじゃなくて、待ってる時もドキドキしちゃうのがいいですね
気になって、気になって困っちゃうけど
Posted by: とぅうふ |at: 2007/03/23 2:17 AM
恋人同士になることがよく分からない・・・・何を言いますやら,耳を食べたり,いろんなとこ触りあったり(布団の中で),公衆のまえでイチャイチャする事は親友同士ですることじゃ有りません!! ○ョン風 でも,二人が幸せならそれでかまいませんが。
Posted by: mayu |at: 2007/03/23 6:47 AM
今回は「他百合カップルにはないなのフェイの良さとは」をテーマに掲げてみました。
…その割には結局ずれてしまって凹んでますorzがっつり恋人関係ではない、けれども恋人関係を上回るような仲の良さ、なのフェイは親友だからこそ素晴らしいのでは、と感じてるのですよ。
これで公式に恋人です。って書かれてるとまた「なのフェイ」への皆さんの見方が少し変わってくるのでは、と。や、もちろんなったらなったでわほーいなんですが(ぉ
ああ、文で表現するってやっぱり難しいや…(泣
…その割には結局ずれてしまって凹んでますorzがっつり恋人関係ではない、けれども恋人関係を上回るような仲の良さ、なのフェイは親友だからこそ素晴らしいのでは、と感じてるのですよ。
これで公式に恋人です。って書かれてるとまた「なのフェイ」への皆さんの見方が少し変わってくるのでは、と。や、もちろんなったらなったでわほーいなんですが(ぉ
ああ、文で表現するってやっぱり難しいや…(泣
Posted by: mattio |at: 2007/03/23 6:48 AM
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