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You are my family
 八神家シリーズ第4弾。相思華さんのフェイトさん&リンディさん本「False family?」に果てしないリスペクトを捧げたつもりの、授業参観とはやての両親にまつわる話です。わりとシリアス気味。
 自分が八神家を書くと基本的に「シグナム&シャマル=お父さん&お母さん」という図式になるようです。はやて師匠はもっと誰かに甘えていいと思うよ。うん。






『ねえ、シグナム』
『ん?』
 ある日の夕方、八神家リビング。くつろいでいたシグナムに、不意に思念通話が届いた。シャマルだ。
『はやてちゃん、今日学校で何かあったのかしら。何か聞いてない?』
『いや……特には。学校帰りは普段通りだったが……』
 今日、学校まではやてを迎えに行ったのはシグナムだったが、特におかしな様子は記憶に無かった。
 キッチンの方を見やる。シャマルと一緒に夕飯の支度をする姿は、やはり特に変わったようには見えない。
『そう……私の気のせいかしら。なんだかはやてちゃん、ちょっと寂しそうな顔をしてるようにも見えたんだけど……』
『……ふむ』
 それは単なるシャマルの杞憂かもしれない。……が、主はやてのこととなれば話は別だ。
 主のことで懸案があるならば、それを放置しておくなど守護騎士のすることではない。
 かと言って、実際に何かあったとしても、主はやては我らに心配をかけまいと、話さずにいてしまう可能性もある。
『確認を取ってみよう。……そうだな、テスタロッサに訊くのが早いか』
『お願いね』
 思念通話を打ち切り、シグナムは電話の子機を手に取った。ここでは、主に通話が聞こえてしまう。
「ん、シグナム、電話か?」
「ええ、少々個人的な要件ですので、子機をお借りします」
「了解や。……せやな、そのうちみんなにも、携帯電話持たせてあげんとなー」
「わあ、ホントですか?」
 主とシャマルの会話を背に聞きながら、シグナムはリビングを出る。
 番号は頭に入っていた。……数回のコールののち、相手が出る。
「もしもし、テスタロッサか。シグナムだ」

    ◇

「フェイトちゃん、携帯鳴ってるよ」
「あ、ホントだ……あれ、はやての家からだ」
 同時刻、ハラオウン家。自室でなのはとのんびりしていたフェイトは、携帯電話に表示された番号を見て首を捻った。
 はやて自身は携帯電話を持っているはずだから、ヴォルケンリッターたちの誰かだろうか。
「はい、もしもし、フェイトです……え、シグナム?」
 てっきりシャマルだろうと思っていたフェイトは、驚いて思わず聞き返した。
 横のなのはも、少々意外そうな表情。
『ああ、少し確認したいことがあってな。……今日の学校で、主はやてに何かあっただろうか?』
「え、はやてに、ですか……?」
「はやてちゃんが、どうかしたの?」
「あ、なのは……今日、はやてに何かなかったかって、シグナムが」
「はやてちゃんに?」
 2人、首を捻る。何かと言っても、特別、はやてに重大な何かが起こったような記憶は……
「あ……ひょっとして、あれかな」
『ん、やはり何かあったのか』
 フェイトの呟きに、シグナムは電話口で敏感に反応する。
「あれって、授業参観のこと?」
「うん……思い当たるとしたら、そのぐらいなんですけど」
『授業、参観?』
「はやてから聞いてませんか?」
『いや……初耳だ』
「……そうですか。えーと……」
 フェイトは数時間前の記憶を掘り返す。――それはおおよそ、こんなやり取りだった。

 帰りのホームルームで配られたのは、『授業参観のお知らせ』と書かれたプリントだった。
「ねえ、なのは……この、授業参観、って」
「あ、そっか、フェイトちゃんは初めてだもんね」
「みんなのお父さんお母さんが、あたしたちの授業の様子を見に来るのよ」
「そうなんだ……」
 プリントを見ながら、フェイトはリンディの顔を思い浮かべる。
「でも、リン……母さん、最近忙しそうだし……迷惑じゃないかな」
「これ、フェイトちゃん。そんなこと言うたら、リンディ提督に失礼や」
「はやて?」
「あたしはリンディ提督のことはあまり詳しく知らんけど……フェイトちゃんの頼みを、迷惑に思うような人やないやろ」
「……うん」
「なら、それでええやん」
「……そうだね、ありがとう、はやて」
 頷き、フェイトはプリントを大事に鞄にしまった。……楽しみだな、授業参観。そんなことを考えながら。
「そういえば、はやてちゃんのところは、やっぱりシャマルさんが来るの?」
 と、ふとすずかがそんなことを言う。
「せやなー。けどウチの子たちやと、みんなして来るー、とか言いだしそうやし」
 そうなったら、何かしでかさんか、かえってちょっと心配や。そんなことを言って、はやては笑った。

『ふむ……そんな話があったのか』
「はい、それで、あの……はやてのご両親って、確か」
『ああ、主が幼い頃に事故で亡くなられている』
 シグナムの答えに、フェイトはなのはと顔を見合わせ、……軽く目を伏せた。
「ひょっとしたら、そのこと……気にしてたのかも、しれません」
『……そうか』
 そのとき聞こえたシグナムの声は、ひどく寂しげに思えて――フェイトは慌てて言葉を付け足した。
「あ、でも、シグナムたちより本当の両親の方が良かったとか、はやてはそんなこと、絶対考えてないと、思います」
『ああ、解っている。……お前は優しい子だな、テスタロッサ』
「え、あ、いえ……そんな」
 照れくささに、フェイトはひとり顔を赤くした。……シグナムにそういう風に言われるのは、ひどくこそばゆい。
『突然すまなかったな。ありがとう』
「いえ、それじゃ……」
 通話が切れ、フェイトはひとつ息をついた。はやての気持ちは、あるいはそのまま、自分のものにも通じる。
 既にいない両親と、新しい大切な家族。失ってしまったものを思い出して、寂しくなるときもあるけれど……そんな気持ちを溶かしてくれるのは、いつだって、今そばに居てくれる大切な人たちだ。
「フェイトちゃん」
 なのはが、そっとフェイトの肩を抱いた。
 そう、ただ触れあっているだけで、なのはは勇気をくれるから。
 ――はやてもちゃんと、伝えられるよね。大切な、今の家族に。

    ◇

「授業参観、か……」
 通話の切れた子機を見下ろし、シグナムもまたひとつ息をつく。
 なるほど、学校に親が来て、自分の受ける授業を見守る……それは、子供にとっては一大事だろう。
 だが、主には、そこに来る両親が既にいないのだ。
『……シャマル』
『シグナム? 何か、テスタロッサちゃんから聞けた?』
『ああ……我々は、主はやての家族にはなれても、親には、なれないのかな』
『……シグナム?』
『いや、何でもない。……主から、そのうちお話があるだろう』
 思念通話を打ち切り、子機をリビングに戻そうとして――シグナムはふと、踵を返した。
 向かった先は、八神家の奥の、仏間。そこには、二枚の遺影が飾られている。
 仏壇の前に正座し、手を合わせ、線香を焚く。ゆったりとたなびく紫煙の向こうに、その笑顔を見上げて、シグナムは思う。
 ――幼き子を残し、旅立たねばならなかった両親。どんなに無念だっただろう。
 そして、本来両親がいるべき場所には、何者とも知れぬ者たちが、我が物顔で居座っている。
「……どうか」
 うなだれ、シグナムは呟く。
 ――どうか、あなた方の娘を、我々の家族と呼ぶことを……許してください。
 どうか。

    ◇

 ――なんであたし、こないモヤモヤしとるんやろ……
 鍋の様子を見ながら、はやてはシャマルに気付かれないように、小さく溜息をついた。
 授業参観の話を、ホームルームで聞かされて以来……何かが胸にわだかまったまま、取れずにいる。
 そのせいで、まだ授業参観のことを、シグナムたちに言えてすらいない。
 本当は、帰ってきたらすぐにでも話すつもりだったのに。
「ん、よし、仕込みはオッケーやな」
 コンロの火を弱めて、はやては頷いた。あとはこのままゆっくり煮込めばOK。老人会に出かけているヴィータが帰ってくる頃には食べ頃だろう。
「じゃあ、あとは私が見ていますから、はやてちゃんはシグナムと、お風呂、お先にどうぞ」
「そか? ほんなら、そうさせてもらおかな」
 と、そこにシグナムが子機を持って戻ってくる。
「ちょうどええわ。シグナム、一緒にお風呂入ろか」
「あ、はい、いいですね」
 そう答えたシグナムの顔は、何だか少し強ばっていて、はやては首を傾げる。
「どないしたん、シグナム?」
「いえ、特に何も。……失礼します、主はやて」
 と、シグナムがはやてを抱き上げようとした、瞬間。
 ――微かな震動が、車椅子をカタカタと鳴らした。
「地震や! シャマル、コンロの火ぃ止めて!」
「はっ、はい!」
 シャマルがコンロのスイッチを切った瞬間、ぐらりとひときわ大きい揺れが来た。
 ガタガタと家具が物音を立て、電灯が揺れる。戸棚の上から何かがバサバサと落ち、――そして、すぐに収まった。
「……止まったみたいやな」
「大丈夫ですか、主はやて」
 はやてをかばうような体勢になっていたシグナムが、心配げに声をかける。平気、と答えて、はやてはキッチンの方を見やった。
「シャマル、お鍋は無事か?」
「は、はい……押さえてましたから、何とか」
 ほっと一息。結構大きな揺れだったが、とりあえず被害は、戸棚から物が落ちた程度で済んだようだ。
「シグナム、テレビつけて。速報流れとると思うから」
「はい」
 テレビをつけると、ほどなく画面上にテロップが流れた。海鳴市は震度4。このあたりでは一番大きく揺れたようだ。
「……今、思念通話で確認しました。ヴィータとザフィーラも無事のようです」
「そか、それなら一安心や。……けど、お風呂の前に、あれ片付けんと」
「ですね」
 戸棚から落ちたのは、上に無造作に積み上げてあった紙や冊子の類のようだった。
「こらまた、随分昔のやなぁ……あとでまとめて整理せんとあかんな」
 自分が生まれる前の日付が記された、両親のものだろう同窓会報を拾い上げ、はやては呟く。
 ――と、その中に。
「ん、これ……アルバムやな」
 埋もれていたのは、一冊の古いアルバムだった。厚紙の台紙に貼り付けるタイプの、大きいものだ。
 表紙に年号が書かれている。その数字は、10年前のもの。
「10年前っていうと、ちょうどはやてちゃんが生まれた頃ですね」
「こないなアルバム、あったんやなぁ……知らんかったわ」
 呟いて、はやては何気なく、その表紙をめくった。
 ――最初のページに貼られていたのは、一組の男女の写真。
 それはこことは違う、どこか別の部屋で撮られたものらしい。大きなお腹を愛おしむように撫でる女性と、その女性の肩を優しく抱いた男性。
 その顔を――はやては知っていた。
「これ……お父さん、お母さん……?」
 はやての中で、両親の記憶はあまりにもおぼろげだった。声はもう思い出せず、顔も仏間に飾られた遺影以外には、ほとんど思い出せない。
 気がついたら、はやてはこの家にひとりで――それが当たり前だった。だからはやてにとって、両親はほとんど知らない人に近い。
 黒縁の写真の中で笑っている、微かに記憶にこびりついた2人分の影……はやての中の両親は、それだけだった。
 ――なのに。
 写真の下には、丁寧な字でメモ書きが貼り付けられている。
『5月25日、自宅にて。そろそろ予定日。名前はもう2人で決めてある。早くこの子に会いたい。抱きしめて、名前を呼んであげたい。』
「あ……」
 メモ書きを指でなぞり……はやてはページをめくる。次のページには、病室の写真。そこで、女性が赤ん坊を抱いていた。
 母親の腕の中で、すやすやと眠る赤ん坊。小さな小さなその生命を抱いて微笑む……母親。
『6月4日、長女誕生。安産だったそうで、母子ともに健康。本当に良かった。』
 今度は、筆跡の異なる短いメモ。……すぐに解った。これを書いたのは、この赤ん坊の父親だ。
 その隣には、ベッドに寝かされた赤ん坊が泣いている写真。そのバックには、達筆な字で、こう書かれた紙が貼ってある。
『命名 はやて』
「あ……あぁ……」
 アルバムを持つ手が震えた。アルバムが重いから? 違う。そうじゃない。
『6月7日、正式に命名。吹き抜ける疾風のように、元気で、強く、軽やかな子に育ってほしいと思う。けれど、あまり女の子らしくないせいか、本人はご不満?』
 ――ページをめくれば、何枚も、何枚も、写真が続いていく。
『6月12日、退院。今日から我が家に新しい家族が増える。表札に「八神はやて」の文字を書き足す。これからよろしくね、はやて。』
 その全てに、小さな赤ん坊と。
『7月6日、お宮参り。私たちに祝ってくれる親戚はいないけれど、その分だけ私たちが、この子に愛情を注ぎ続けようと思う。』
 それを抱く母親と、父親の姿がある。
『8月13日、自宅にて。夏の暑さで2人ともバテ気味なのに、はやてだけは元気いっぱいに泣いている。この子はきっと、丈夫な子になるだろう。』
 何枚も、何枚も、何枚も。
『9月2日、近所の公園にて。外を出歩くのが楽しいのか、はやてはすごく機嫌が良い。首がしっかり据わったら、もっといろんなところに連れていってあげよう。』
 そこにはたくさんの、幸せそうな笑顔があった。
『11月12日、はやてが私の指を掴んだ。小さくて柔らかい手。私を見て嬉しそうに笑っている。おかあさんのことを解っているのかもしれない。』
 ただ純粋に、幸せに満ちた――ひとつの家族の、姿があった。
 はやてと名付けた、大切な娘を、心から愛していた、一組の親が、そこにいた。
「お、父さん……おかあ、さん……」
 ぽたり、とアルバムに雫が落ちた。これは……何だろう。頬を伝う、あたたかい雫。ぽたり、ぽたり。アルバムに落ちて、写真の笑顔を滲ませる。
 お父さんと、お母さんの顔が、見えない。
 滲んで、ぼやけて……その幸せそうな笑顔が、もう、見えない。
「あ、あぁ……ぁぁぁぁぁっ……」
 わけもわからず――はやてはその場に泣き崩れた。
 悲しかったわけでも、辛かったわけでもない。嬉しい涙とも、少し違う。その涙の意味は、はやて自身にも解らない。
 ただ、涙が止まらなかった。目の前にある、たくさんの笑顔に……知らないのに、とてもよく知っている微笑みに。あたたかな腕の感触に。かけられた優しい声に。
「……はやてちゃん」
 ふと、声がかかる。そして、泣き崩れたはやてを、そっと包み込む温もりがあった。
「主はやて……どうか、泣かないでください」
 自分を抱きしめるその腕は、微かに残ったあのあたたかさによく似ていて。
 囁かれる優しい声は、何もかも、包み込んでくれるようで。
 ――そう、そんなあたたかさは、今でもすぐそこにあるのだ。
「……シグナム」
「はい」
「……シャマル」
「はい、はやてちゃん」
 涙を拭って、はやてはそこにいる2人の顔を見上げた。
 今の自分の、大切な家族の2人。
 その2人に、はやてはしがみつくようにして。
「……今だけ。今だけ、2人のこと、お父さんとお母さんやって、思っていいか?」
 その言葉に、シグナムとシャマルは顔を見合わせて。
 ――そして、微笑む。

「……どうぞ、主……いえ、はやて」
「はやてちゃん……おいで」

 ――そしてはやては、2人の胸の中で、もう一度泣いた。
 あたたかな温もりに包まれて、小さな赤ん坊のように、いつまでもいつまでも、泣き続けた。

    ◇

「ただいまー……って、はやて!? どーしたんだよっ!?」
 帰宅したヴィータが最初に見たのは、シグナムにしがみついて、涙を拭っているはやての姿。
 慌ててはやてへと駆け寄り、それからヴィータはシグナムを睨み据える。
「シグナム、てめー、はやてを泣かせたなっ!」
「ち、違うっ! ヴィータ、それは誤解――」
「問答無用だっ、グラーフアイゼンの赤い染みにしてやるぜっ!」
 待機状態のグラーフアイゼンを掴み、ヴィータはシグナムに飛びかかろうとし――
「ヴィータ、あかん。シグナムのせいやないよ」
 背後からはやての声がかかって、つんのめるようにヴィータは動きを止めた。
「は、はやて?」
「おかえり、ヴィータ。……さっきのは何でもないんや。気にせんでええよ」
「けど……」
「ほら、晩ご飯もそろそろや。シャマル、お皿の準備しといてな」
「はーい」
 キッチンに車椅子を走らせるはやての背を見送って、ヴィータは拍子抜けしたような表情でシグナムを振り返る。
「……なー、アタシがいない間に何があったんだ?」
「ふむ……まあ、いろいろと、な」
「なんだよそれ」
 わけが解らず首を傾げるヴィータ。そこにはやてから声がかかり、まあいいか、と食卓の方へと走る。
 そして、テーブルに夕食が並び、皆で「いただきます」をする――そんないつもの光景が戻る頃、はやては自然に、口を開いた。

「あのな、今度学校でな――」

    ◇

 そして、授業参観当日。教室の後ろに、ずらりと父兄が並んでいた。
 すずかの母、アリサの父。桃子も、翠屋を士郎に任せて来ている。
 ――そして、リンディ・ハラオウンの姿も、その中にあった。
「フェイト、がんばってね〜」
 声をかけるリンディに、フェイトは恥ずかしそうに顔を伏せる。そんな様子を、なのはたちは楽しげに見つめて――
 そして、不意に教室がざわめいた。その原因は、父兄に混じって、少々変わった4人組が入ってきたから。
 それは、長い髪をポニーテールにまとめた、凛々しい女性と。
 優しげな微笑を浮かべた、金髪の女性と。
 このクラスの生徒たちより年下に見える、小さな女の子と。
 立派な体格をした、褐色の肌の男性の、4人組。
 生徒の父兄と呼ぶには、少々違和感のあるその集団を――けれど、嬉しそうに見つめている少女が、ひとりいた。
 そして、授業が始まる――


 放課後。校門の前に、その奇妙な4人組と、車椅子の少女の姿があった。
「結局、みんなで来たんですね〜」
「主はやてが、それを望まれたからな」
「せや、みんなあたしの大切な家族やからな」
 なのはやフェイトたちも交えて、みんなで笑い合う。
「そうそう、ここに来る途中で、買って来ちゃいました」
 そう言ってシャマルが取り出したのは、一台のカメラ。
「それじゃあ、私が撮りましょうか」
「お願いします」
 桃子がカメラを受け取って、八神家一同にレンズを向ける。
 真ん中にはやて。その傍らにヴィータ。後ろに、シグナム、シャマル、ザフィーラが並ぶ。
「――な、帰りに新しいアルバム、買っていこか」
 不意に、はやてがそう言った。
「新しいアルバムは、みんなの写真でいっぱいにするんや。それで……お父さんとお母さんに見せたげよ。これが、あたしの新しい家族や、って」
「うんっ」
「いいですね」
「ええ、そうしましょう」
「……お望みのままに」
 そうして、家族5人は笑い合った。その笑顔は――どこまでもあたたかく、幸せに包まれた笑顔。
「はい、チーズ」
 ――歯切れのいい音とともに、一瞬がレンズの中に切り取られる。
 はやて。ヴィータ。シグナム。シャマル。ザフィーラ。
 八神家一同、最初の集合写真。



 その写真は、アルバムの一番最初のページに飾られている。
 今も。そしてこれからも、ずっと。
| 浅木原忍 | 00:00 | comments(4) | trackbacks(0) |
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Comment
良い話杉です。。。
授業参観ネタはよくある話かもしれないけれど、ストーリー上親っていう存在がかかわりやすいフェイトさんでなく、はやてでやるところに唸りました。

しかし浅木原さんの各お話を読み進めて、
Burning→アリサトワ最高!
なのフェイ→なのふぇい最高!
アリすず→ありすず最高!
八神家→八神家最高!
と、ストーリーとキャラクターの魅力にどんどんなのはシリーズにハめられてってますgkgk
Posted by: izm |at: 2007/08/30 4:05 PM
>izmさん
 冒頭に挙げたえんどりさんの本がフェイトさんの授業参観ネタだったので、「じゃあ俺ははやて師匠verを書くぜ!」というわけで生まれたのがこの話でありました。シグナムさんはどう見てもパパさん。
 そしてようこそこちら側へw ずぶずぶと深みに引きずり込んで(ry
Posted by: 浅木原忍 |at: 2007/08/30 10:44 PM
はぁ…いいなぁ…こういう話…最高…です…何か…物凄く感動しました…はやて…そして八神家に永遠の祝福を…
Posted by: 茉奈 |at: 2007/10/08 1:08 PM
もうめっちゃ。。。。。。。。。
グッっときました。。。(泣

ギャグっぽいのもいいけどたまにはこんなのも読みたいものです^^
Posted by: れあな |at: 2007/10/31 2:56 PM








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このサイトはくろまくみこ(霊夢×レティ)の普及を目論んでいます。

東方SSインデックス

長編
【妖夢×鈴仙】
うみょんげ!(創想話・完結)
 第1話「半人半霊、半熟者」
 第2話「あの月のこちらがわ」
 第3話「今夜月の見える庭で」
 第4話「儚い月の残照」
 第5話「君に降る雨」
 第6話「月からきたもの」
 第7話「月下白刃」
 第8話「永遠エスケープ」
 第9話「黄昏と月の迷路」
 第10話「穢れ」
 第11話「さよなら」
 最終話「半熟剣士と地上の兎」

【お燐×おくう】
りん×くう!(完結)
 ※スピンオフなので、できれば先に『ゆう×ぱる!』をどうぞ。
 1 / 火焔猫燐
 2 / 霊烏路空
 3 / 火焔猫燐
 4 / 霊烏路空
 5 / 古明地さとり
 6 / 火焔猫燐
 7 / 霊烏路空
 8 / 火焔猫燐
 9 / 古明地さとり
 10 / 霊烏路空
 11 / 火焔猫燐
 12 / 古明地さとり
 13 / 霊烏路空
 14 / 火焔猫燐
 15 / 古明地さとり
 16 / 霊烏路空
 17 / 古明地こいし
 18 / そして、地底の恋物語

【勇儀×パルスィ】
ゆう×ぱる!(完結)
 0 / そして、星熊勇儀の孤独
 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
 (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13)
 14 / 「星熊勇儀の微睡」
 15 / 「水橋パルスィの恋心」
 16 / 「星熊勇儀の応談」
 17 / 「黒谷ヤマメの懸念」
 18 / 「星熊勇儀の懊悩」
 19 / 「キスメの不安」
 20 / 「火焔猫燐の憂鬱」
 21 / 「黒谷ヤマメの奮闘」
 22 / 「古明地さとりの場合」
 23 / 「水橋パルスィの狂気」
 24 / 「古明地さとりの思案」
 25 / 「星熊勇儀の煩悶」
 26 / 「水橋パルスィの意識」
 27 / 「星熊勇儀の虚言」
 28 / 「水橋パルスィの嫉妬」
 29 / 「星熊勇儀の決断」
 30 / 「キスメの幸福」
 31 / 「水橋パルスィの戸惑」
 32 / 「黒谷ヤマメの嫉妬」
 33 / 「古明地さとりの思惟」
 34 / 「キスメの献身」
 35 / 「星熊勇儀の愛情」
 36 / 「水橋パルスィの変化」
 37 / 「火焔猫燐の懸案」
 38 / 「星熊勇儀の失態」
 39 / 「水橋パルスィの存在」
 40 / 「星熊勇儀の審判」
 41 / 「水橋パルスィの幸福」
 42 / 「星熊勇儀の願い」
 43 / 「地底への闖入者」
 44 / 「水橋パルスィの真実」
 45 / 「星熊勇儀の幸福」
 46 / 「星熊勇儀と、水橋パルスィ」
 47 / 「地底の恋物語」

【にとり×雛】
にと×ひな!(完結)
 Stage1「人恋し河童と厄神と」
  SIDE:A SIDE:B
 Stage2「厄神様へ続く道」
  SIDE:A SIDE:B
 Stage3「神々も恋せよ幻想の片隅で」
  SIDE:A SIDE:B(前編)(後編)
 Stage4「秋めく恋」
  SIDE:A SIDE:B SIDE:C
 Stage5「少女が見た幻想の恋物語」
  (1) (2) (3) (4)
 Stage6「明日晴れたら、雨は昨日へ」
  (1) (2) (3) (4)

東方創想話・SSこんぺ投稿作

【少女秘封録】
 真昼の虹を追いかけて
 ヒマワリの咲かない季節
 闇色メモリー
 2085年のベース・ボール
 スタンド・バイ・ユー
 睡蓮の底
 遠回りする傘

【自警団上白沢班の日常】
 折れた傘骨
 おおかみおんなと人魚姫

【探偵ナズーリンシリーズ】
 説法の時は出たくない
 腹の中

【星ナズ】
 貴方のための探し物
 性別とかどうでもいいじゃない
 ナズーリンを縛って目の前にチーズをぶら下げたらどうなるの?

【稗田文芸賞シリーズ】
 霧雨書店業務日誌
 第7回稗田文芸賞
 第6回稗田文芸賞
 第8回稗田文芸賞・候補作予想メッタ斬り!
 第8回稗田文芸賞
 第9回稗田文芸賞
第10回稗田文芸賞

【狐独のグルメ】
<Season 1>
 「人間の里の豚カルビ丼と豚汁」
 「命蓮寺のスープカレー」
 「妖怪の山ふもとの焼き芋とスイートポテト」
 「中有の道出店のモダン焼き」
 「博麗神社の温泉卵かけご飯」
 「魔法の森のキノコスパゲッティ弁当」
 「旧地獄街道の一人焼肉」
 「夜雀の屋台の串焼きとおでん」
 「人間の里のきつねうどんといなり寿司」
 「八雲紫の牛丼と焼き餃子」
<Season 2>
 「河童の里の冷やし中華と串きゅうり」
 「迷いの竹林の焼き鳥と目玉親子丼」
 「太陽の畑の五目あんかけ焼きそば」
 「紅魔館のカレーライスとバーベキュー」
 「天狗の里の醤油ラーメンとライス」
 「天界の桃のタルトと天ぷら定食」
 「守矢神社のソースカツ丼」
 「白玉楼のすき焼きと卵かけご飯」
 「外の世界のけつねうどんとおにぎり」
 「橙のねこまんまとイワナの塩焼き」
<番外編>
 「新地獄のチーズ焼きカレーと豚トロひとくちカツ」 NEW!!

【その他(そそわ無印・こんぺ)】
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 『流れ星の消えない夜に』
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東方野球in熱スタ2007異聞
 「六十日目の閻魔と死神」
 「グラウンドの大妖精」
  (前編) (中編) (後編)
 「神奈子様の初恋」
 「May I Help You?」
 「決戦前の三者会議」
 「夏に忘れた無何有の球を」
  (前編) (後編)
 「月まで届け、蓬莱の想い」
 「届く声と届けるものと」
 「魔法使いを見守るもの」
 「夏に雪桜は咲かないけれど」
  (1) (2)
 「星の光はすべて君」
 「さよならの代わりに」
  (前編) (後編)
 「野球の国、向日葵の妖精」
  (1) (2) (3) (4)
 「わりと憂鬱な霊夢の一日」
 「猫はどこだ」
 「あなたの人生の物語」
  (1) (2) (3) (4)
  (5) (6) (7) (8)
 「完全なアナタと不完全なワタシ」
 「伝えること届けること」
 『東方野球異聞拾遺 弐』
  (1) (2) (3)


艦これSSインデックス(pixiv)

【第六戦隊】
 ワレアオバ、ワレアオバ。
 衣笠さんは任されたい
 刻まれない過去
 古き鷹は光で語りき NEW!!

【響×電】
 Мой кошмар, нежность из вас

なのはSSインデックス

長編
魔法少女リリカルなのはBURNING

【BURNING AFTER】
 祝福の風と永遠の炎
 フェイトさんのお悩み相談室
 それは絆という名の――
 王子様とお姫様と黄昏の騎士のわりと平和な一日
  (前編) (中編) (後編)

魔法少女リリカルなのはCHRONICLE
魔法少女リリカルなのはCRUSADERS

中編
 ストラトスフィアの少女(完結)
  (1) (2) (3) (4)

 プラネタリウムの少女(完結)
  (1) (2) (3) (4)

短編
【フェイト×なのは】
 キミがくれる魔法
 たまに雨が降った日は
 キミが歌うボクの歌
 お嫁さんはどっち?
 願い事はひとつだけ
 君がここに生まれた日
 stay with me
 私がここに生まれた日
 ハラオウン家の家庭の事情「エイミィさんのお悩み相談室」
 WHITE SWEET SNOW
 冬、吐息、こたつにて。

【アリサ×すずか】
 はじめての××
 TALK to TALK
 少し歩幅が違う分
 好きな人が、できました。
 おとぎ話は目覚めた後にも after
 DOG×CAT?(プレ版)
 第97管理外世界における、とあるロストロギア関連事件に付随した何か(仮)
 9×19=171...?
 Feline days
 貴方の花の名前
 超短編シリーズ

【八神家】
 ある日の八神さんち(メロドラマ編)
 ある日の八神さんち(家族計画編)
 ある日の八神さんち(ホラー編)
 You are my family
 魔導探偵八神はやて「アイスはどこへ消えた?」
 届け、あなたがくれた空に。
 朧月夜の銀色に

【クロノ×エイミィ】
 ハラオウン家の家庭の事情「クロノ・ハラオウンはロリコンなのか?」

らき☆すた

【かがみ×つかさ】
 Sleeping Beauty?
 夢見てた、夢

投稿SSインデックス

投稿規定

「なのはBURNING」三次創作

【沈月 影さん】(影ラボ
 魔法少女リリカルなのはFROZEN
 予告編
 第1話「流転 -Returning End-」
  (1) (2) (3) (4)

【てるさん】(HEAVEN
 ユグドラシルの枝(完結)
  (1) (2) (3) (4) (5)

【緑平和さん】(PEACE KEEPER
 その右手に永遠を

短編

【kitさん】(pure heart
 好き、だから

【mattioさん】
 The parting of the ways
 みんなで奏でるボクの歌
 ボクは親友に恋をする
 白い悪魔事件―なのはは罪な女のコ?なの―
 か け お ち
 約束の桜〜ダイヤ〜
 月剣〜つるぎ〜のち陽盾〜たて〜
 青に魅せられた私―Moondust…―
 ハート オブ エース―AMBITION―
 わたしの日溜り
 春の日、とあるカップルのとある時間のつぶし方
 少し角度が違う分
 大胆はほどほどに
 そして二人は時を忘れる
 注意報「あま風に御用心」
 一番守りたいもの、それは――
 ひっかかって。
 キミのいない平日は
 最近の翠屋において甘い物が売れない理由、それは――
 バカップル法第○条第×項「うっかりは無罪なり」
 正月、とある五人のとある年明けの過ごし方
 スキー大好き! って大好きななのはが言ったのでつい私も好きだし得意だと言ってしまいました。
 親友>恋人・・・?
  ―前夜なの―
  ―臨戦なの―
  ―結末なの―
 桜〜なのは〜の舞う季節―Prince of ・・・―
  予告編 本編
 天使に誓うラブレター
  予告編 本編
 「アツい日」シリーズ
  アリサ先生のアツい一日
  それぞれのアツい午後
  アツかった日の後日。
  アツくない場所で
  アツい日は季節を越えて
  アツみの増した写生会
  アツ力のかかった一日
 木の葉が紅く染まる頃
  (1) (2) (3)

【ぴーちゃんさん】(P'sぷろじぇくと
 ワガママのススメ
 おとぎ話は目覚めた後で

【鴇さん】(It flows.
 
 遠くない未来
 贈り物〜blessing happily〜

【伊織さん】(伊織の詞認筆
 ハラオウン家家族会議
 ケーキより甘い思い出
 八神家家族相談室

【maisyuさん】(ぐったり裏日記
 キミの呼びかた
 素直なキモチ
 この星空の下、貴女と二人

【隅田さん】(NooK
 四つ葉のクローバーを、君に。

【沈月 影さん】(影ラボ
 Pleasure, into the Rain

【クロガネさん】(クロガネの間
 理想な人は?

【フィールドさん】
 The honey holiday
 Dangerous Shower Time

【霧崎和也さん】(Kの趣味部屋
 祝福の花

【HALさん】(交差幻想
 コイメツ

【月翼さん】
 秘密のrouge

【tukasaさん】
 名前を呼んだ日

【フェルゼさん】(Empty Dumpty
 夜長の行き先
 Their party's never over.
 彼女たちのフーガ

【シン・アスカさん】
 メリッサの葉に…

【結さん】
 青い空の下で

【tanakaさん】部屋の隅っこで小説なんかをやってみる
 君が見てくれているから/新年
 知らぬ間に
 なのはさん争奪戦
 いたずらなお姫様
 お願い
 海と水着と……
 何年経っても変わらぬ関係
 越えられない壁
 小さくてもなのはさん
 思春期なんです
 手相占い?
 暗闇の中で
 フェイトちゃんは変態さんなの?
 手を繋いで
 王子様とお姫様のお祭り
 想いと想い

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